会長短信「春夏秋冬」
会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています
会長短信「春夏秋冬(55)」
「平成30年度に向けた活動のスタート」
本会の平成29年度第6回理事会が、平成30年3月26日に開催されました。
本理事会の主要議題である平成30年度事業計画及び収支予算書等について、満場一致でご承認いただきました。その主要課題について、実施方針と取組状況をご紹介します。
まず1点目は、マイクロチップ(MC)の普及啓発です。
動物愛護管理法の附則では、平成30年度を目途として、販売用の犬、猫等へのMC装着の義務付け、MC情報の管理体制の整備等に必要な施策を講じることとされています。
同法はいわゆる議員立法であるため、これまで超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」で検討が進められていましたが、いよいよ3月2日からは山本幸三衆議院議員を座長とする「自民党どうぶつ愛護議員連盟マイクロチップ・プロジェクトチーム(PT)」による検討も開始されました。
本会は3月6日の第2回PT会合において、本会のMC事業の取組状況や法改正に向けた要請を行う機会を得ました。主な要請内容は、
①MC装着の義務付けは販売用にとどまらず全ての犬・猫を対象とすること、
②MC装着と登録義務の主体は、犬・猫の所有者のほかペット販売業者とすること、
③狂犬病予防法に基づく登録制度において、鑑札と注射済票のほかMCの装着・登録も代替法として追加することなどです。
これらの法改正が、現在開催中の通常国会で実現されるよう期待しています。
2点目は、緊急災害時動物救護活動です。
今期は、動物飼育環境整備推進特別委員会に災害時動物救援対策検討委員会を設置し、集中的に体制整備に向けた検討を進めることにしています。
具体的には、危機管理室の設置を含めた本会における動物救援対策の強化、各ブロック及び地方獣医師会における地域拠点施設の設置を含む体制整備、訓練・研修等への支援です。
これらは、平常時、発災時及び収束時等のステージ毎の救護活動への支援であり、VMAT(動物医療支援チーム)の養成、認定、登録や九州災害時動物救援センターの活用等も含まれています。
3点目は、国際交流事業の振興です。
世界獣医師会(WVA)とは活動の連携を密にし、また、アジア獣医師会連合(FAVA)とはアジア獣医師に対する1年間の研修事業の推進等により、関係国際機関に対する貢献を推進します。
さらに、本年1月に調印された日本・韓国・台湾3カ国獣医師会による獣医学術協定(MOU)に基づき、来年2月に神奈川県獣医師会が共催する平成30年度獣医学術学会年次大会において、第1回目の国際シンポジウムを開催する計画です。
4点目は、日本獣医師会創立70周年記念事業です。
本年11月30日にパレスホテル東京にて記念式典・記念講演・記念祝賀会を開催するほか、同日午前には平成30年度全国獣医師会会長会議の開催、翌12月1日には2018動物感謝デーin JAPANが開催会場を二子玉川ライズ・イッツコムホールに移して開催されます。
来週からは平成30年度のスタートです。
主要課題としてご紹介した事業は、いずれも本会と地方獣医師会が密接な連携の下で、公益目的事業としての事業運営体制を着実に構築していかなければなりません。
新年度を迎え、これらの事業が将来に向けて大きく発展するよう、本メルマガ読者の皆様をはじめ関係者が一体となって活動して参りましょう。
平成30年3月30日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫
バックナンバー
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会長短信「春夏秋冬(61)」「獣医学術学会の充実と「生涯学習認定獣医師」称号の広告に向けて」 (平成30年11月2日)
会長短信「春夏秋冬(60)」「第30回世界牛病学会2018札幌、大成功を収める」 (平成30年9月28日)
会長短信「春夏秋冬(59)」「災害去って、学問の秋」 (平成30年8月20日)
会長短信「春夏秋冬(58)」「第75回通常総会における事業承認を踏まえた獣医師の主体的役割」 (平成30年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(57)」「動物愛護とチーム獣医療の進展」 (平成30年6月5日)
会長短信「春夏秋冬(56)」「「認定VMAT講習会」の共同開催を推進します」 (平成30年4月27日)
会長短信「春夏秋冬(55)」「平成30年度に向けた活動のスタート」 (平成30年3月30日)
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会長短信「春夏秋冬(53)」「戊戌は「変化」の年」 (平成30年1月26日)
会長短信「春夏秋冬(52)」「獣医学教育の国際水準化と獣医師会活動の国際貢献に向けたスタート」 (平成29年12月28日)
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会長短信「春夏秋冬(50)」「目まぐるしく活動したひと月」 (平成29年11月2日)
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会長短信「春夏秋冬(30)」「第2回One Healthに関する国際会議の開催決定」(平成28年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(29)」「驚きのニュース」(平成27年12月18日)
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会長短信「春夏秋冬(27)」「獣医師一人一人との繋がりこそ力(チカラ)」(平成27年10月16日)
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会長短信「春夏秋冬(25)」「新役員体制でのスタート」(平成27年8月19日)
会長短信「春夏秋冬(24)」「第72回通常総会を終え、二期目のスタートに思う」(平成27年7月23日)
会長短信「春夏秋冬(23)」「世界獣医師会と世界医師会の共催によるOne Health国際会議で講演」(平成27年6月19日)
会長短信「春夏秋冬(22)」「中国獣医協会の皆様を迎え、有意義な意見交換」(平成27年5月22日)
会長短信「春夏秋冬(21)」「All Japan Pet Expo in Tokyo及びインターペット -人とペットの豊かな暮らしフェア- に参加して」(平成27年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(20)」「獣医師として巣立つ卒業生の皆さんに対する期待」(平成27年3月16日)
会長短信「春夏秋冬(19)」「マイクロチップ装着による個体識別推進シンポジウムに出席して」(平成27年2月25日)
会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(17)」「気持ちも新たに年を越します」(平成26年12月22日)
会長短信「春夏秋冬(16)」「日本医師会との連携シンポジウムを開催して」(平成26年11月14日)
会長短信「春夏秋冬(15)」「地区獣医師大会に出席して」(平成26年10月23日)
会長短信「春夏秋冬(14)」 「意識改革によって組織の整備・充実を」(平成26年9月25日)
会長短信「春夏秋冬(13)」 「人とペットとの共生社会の構築を」(平成26年8月21日)
会長短信「春夏秋冬(12)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)