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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(47)」

「予測できない天変地異への万全の備え」
 平成29年7月5日から6日にかけて、福岡県と大分県を中心とする九州北部で集中豪雨が発生し、福岡県朝倉市、大分県日田市などで甚大な被害が発生しました。この豪雨は、余り聞き慣れない「線状降水帯」の発生によるもので、朝倉市では1時間の降水量169mm、9時間の降水量778mmを観測するなど、気象観測史上でも最大級の集中豪雨となりました。気象庁は、これまでに経験したことのない命に関わる重大な災害の危険性が高まっているとしてはじめて「大雨特別警報」を発表し、「平成29年7月九州北部豪雨」と命名しました。人的被害は、7月21日現在、死者35人、行方不明者6人となっています。また、現地は、真砂土と呼ばれる地質の山地の表層崩壊で、大量の流木や土砂が家屋や河川の被害を増大させました。  更に7月22日から23日には、秋田県を中心に集中豪雨が発生し、河川の氾濫と洪水被害が発生しています。昨年8月31日には、迷走した台風10号の影響で、岩手県と北海道で大雨による河川の氾濫・浸水被害が発生しました。 平成27年9月には関東・東北豪雨により茨城県で鬼怒川が氾濫し、陸上自衛隊のヘリコプターで住民と飼い犬が救出され話題となりました。 平成26年8月豪雨では、広島市の土砂災害で死者74人などの被害が発生しました。  このように我が国では毎年、北から南までの全国において豪雨被害が発生しています。 昨年4月には熊本でも、まさかと思う震度7の大地震が発生し、もはや我が国ではいつ・どこで大規模な自然災害が発生しても不思議ではない事態となっています。  九州北部豪雨については、7月14日に開催された平成29年度全国獣医師会事務・事業推進会議において、福岡県獣医師会及び大分県獣医師会からの被害状況報告を紹介しましたが、幸いにいずれも会員構成獣医師に関する被害情報は有りませんでした。  被災者及び被災動物の救護活動については、福岡県災害時ペット救護本部、大分県被災動物救護対策本部を設置し、VMATの被災地巡回による診療活動や動物飼育相談、会員診療施設におけるペットの一時預かり等の活動に直ちに着手しています。  また、長期間の預かり希望については、九州災害時動物救援センターで引き受けることにしています。  日本獣医師会としては、両県獣医師会からの情報収集に努めるとともに、7月19日に開催された業務運営幹部会において、支援金の募集を開始することを決定しました。  支援金の募集については、熊本地震支援義援金と同様に、55地方獣医師会を通じて会員構成獣医師の皆様による本会独自の支援金募集と、診療施設における一般市民の皆様からの支援金募集に分けて行うことにしました。   前者は、両県の動物救護本部や獣医師会による被災動物の救護活動や動物診療施設における一時預かり、九州災害時動物救援センターにおける被災動物の長期預かり等に活用します。後者は、一般財団法人ペット災害対策推進協会に寄附していただき、両県動物救護本部による救護活動を支援していただく予定です。 会員地方獣医師会及び構成獣医師の皆様方におかれては、何卒ご支援を賜りますようお願いいたします。  6月22日に開催された第74回通常総会でご報告した平成29年度事業計画においては、緊急災害時動物救護活動支援事業として、本会における動物救援対策、VMATの構築等各ブロック及び地方獣医師会における動物救援体制整備の支援活動を検討・実施するとともに、平常時の準備、発災時の救護活動、救護活動の収束時等、様々なステージにおける地域活動を支援します。さらに、九州災害時動物救援センター(熊本地震ペット救援センター)をはじめ地域における動物救護拠点施設の整備及び獣医師の派遣・配置を含む運営活動を行うことにしました。  環境省においても、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」改定等に係る検討会が開催され、本会からも村中副会長が委員として参加されます。  冒頭にご紹介したように、自然災害はいつ・どこで・誰に発生するのか予測するのは困難です。日頃から災害に対する意識を高め、防災に対する知識を身につけておくことが肝要です。本メルマガの読者の皆様方におかれても、毎年全国のどこで発生するのか分からない天変地異に対する万全の備えをお願いいたします。 平成29年7月31日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

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会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
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会長短信「春夏秋冬(12)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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