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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(54)」

「獣医学術学会年次大会【大分】の成功と、医師会との連携によるワンヘルスのアピール」
 車窓から鶴見岳方向を眺めていると、別府市が近づくにつれ多数の湯煙が立ち上っているのが目に入ってきました。  平成29年度の日本獣医師会獣医学術学会年次大会【大分】は、平成30年2月10日(土)~12日(月)に、日本最大の源泉数と湧出量を誇る別府温泉の別府国際コンベンションセンター「ビーコンプラザ」で開催されました。参加登録数2,060人、そのほかに市民公開シンポジウム等に多数の一般市民のご参加をいただき、大成功を収めることができました。  2日目に開催された歓迎交流会も600人以上の参加者を得て大盛況で、ご来賓のご祝辞をいただいた安東隆大分県副知事、長野恭紘別府市長、岩屋毅衆議院議員、釜萢敏日本医師会常任理事にも大変喜んでいただきました。  これも、開催県の公益社団法人大分県獣医師会の麻生哲会長はじめ役職員及び構成会員の皆様方、さらに全国の地方獣医師会及び構成獣医師の皆様方の多大なるご尽力とご協力の賜であり、改めて感謝申し上げます。  3日間の大会期間中、私もできる限り多くの学会発表やシンポジウムに参加させていただきました。今回で第7回目となる日本医師会と日本獣医師会の連携による「ワンヘルスに関する連携シンポジウム―ヒトと動物の共通感染症―」では、犬や猫が感染・発症するとともに、犬等から人に感染し、死亡したSFTSやコリネバクテリウム・ウルセランス感染症の事例が紹介されたことから注目が集まり、活発な意見交換がなされました。まさに医師と獣医師との連携によって感染機序の解明がなされ、ワンヘルスの取組が一層注目される企画となりました。  また、シンポジウム「獣医師の職場環境のより一層の整備充実を―国、地方団体、臨床現場が取り組む活動宣言―」は、特任理事の栗本委員長と白戸副委員長の座長の下、5人の女性獣医師から自らの経験が発表されました。いずれの先生方も、結婚、出産、育児に追われる中で、大変なご苦労をされながら獣医師として活躍したいという強い熱意の下で、就業継続されてきた迫力に圧倒されました。男女の区別なく獣医師全体のワーク・ライフ・バランス改善のために、新しい仕事のやり方や働き方の見直しが必要と実感した企画となりました。  一方、大分大会の初日に開催され、私が顧問を務めている日本獣医師連盟の役員会及び平成30年度総会にも出席しました。総会には大変お忙しい中、日本医師会の横倉義武会長にご出席いただきました。  横倉会長からは、私と同郷であることから相談しやすく、学術連携協定の締結、ワンヘルス国際会議の共同開催が実現したこと、また両会の連携のお陰で、世界医師会の会長に選出されたとの謝意が述べられました。  横倉会長の第68代世界医師会会長就任については、2月16日、祝賀会が帝国ホテルで盛大に開催されました。祝賀会には、サー・マイケル・マーモット元世界医師会会長、安倍総理、二階幹事長、小池東京都知事、多数の閣僚や国会議員をはじめ、国内外から約千人が参加されました。  横倉会長のご挨拶の中でも、「日本ではワンヘルスの取組を推進するため、全国47都道府県の獣医師会と医師会が学術連携協定を締結しています。3年前にマドリードで開催された第1回世界獣医師会・世界医師会ワンヘルスに関する国際会議では藏内日本獣医師会会長と一緒に講演し、日本におけるワンヘルスの取組をアピールしました。一昨年11月には北九州市小倉で第2回国際会議を日本獣医師会とともに開催しました。このことが国際的に高い評価を受け、私の世界医師会会長就任の大きな後押しとなりました。」と述べていただきました。  私からも祝辞の中で、「人の感染症の6割は動物由来であり、人と動物の間に垣根はなく、ウイルスに国境はありません。ワンヘルスを推進される横倉会長が世界医師会会長となられ、世界中の人類にとってこれ程幸せなことはありません。」と祝意を述べました。  本祝賀会は、安倍総理をはじめ参加者全員に、医師会と獣医師会の全国的な連携とワンヘルスの取組を強く印象付ける絶好の機会となりました。 平成30年2月28日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

会長短信「春夏秋冬(63)」「己亥は、十分な準備をして果敢にチャレンジし、発展する年」 (平成31年1月31日)
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会長短信「春夏秋冬(54)」「獣医学術学会年次大会【大分】の成功と、医師会との連携によるワンヘルスのアピール」 (平成30年2月28日)
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会長短信「春夏秋冬(48)」「SFTS対応等による”One Health”の実践の強化に期待」 (平成29年8月22日)
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会長短信「春夏秋冬(45)」「平成29年度はアジアの獣医師が活躍する年に」 (平成29年4月19日)
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会長短信「春夏秋冬(42)」「獣医学部新設の検証なき矛盾だらけの決定に怒り」 (平成29年1月30日)
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会長短信「春夏秋冬(38)」「諸事の繋がりを大切に」 (平成28年9月30日)
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会長短信「春夏秋冬(35)」「外圧に屈せず一枚岩の団結で」 (平成28年6月24日)
会長短信「春夏秋冬(34)」「広域的な被災ペット救護支援」 (平成28年5月26日)
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会長短信「春夏秋冬(32)」「AMR アクションプラン」(平成28年3月23日)
会長短信「春夏秋冬(31)」「日本獣医師会獣医学術学会年次大会【秋田】開催迫る」(平成28年2月19日)
会長短信「春夏秋冬(30)」「第2回One Healthに関する国際会議の開催決定」(平成28年1月22日)
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会長短信「春夏秋冬(27)」「獣医師一人一人との繋がりこそ力(チカラ)」(平成27年10月16日)
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会長短信「春夏秋冬(25)」「新役員体制でのスタート」(平成27年8月19日)
会長短信「春夏秋冬(24)」「第72回通常総会を終え、二期目のスタートに思う」(平成27年7月23日)
会長短信「春夏秋冬(23)」「世界獣医師会と世界医師会の共催によるOne Health国際会議で講演」(平成27年6月19日)
会長短信「春夏秋冬(22)」「中国獣医協会の皆様を迎え、有意義な意見交換」(平成27年5月22日)
会長短信「春夏秋冬(21)」「All Japan Pet Expo in Tokyo及びインターペット -人とペットの豊かな暮らしフェア- に参加して」(平成27年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(20)」「獣医師として巣立つ卒業生の皆さんに対する期待」(平成27年3月16日)
会長短信「春夏秋冬(19)」「マイクロチップ装着による個体識別推進シンポジウムに出席して」(平成27年2月25日)
会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
会長短信「春夏秋冬(17)」「気持ちも新たに年を越します」(平成26年12月22日)
会長短信「春夏秋冬(16)」「日本医師会との連携シンポジウムを開催して」(平成26年11月14日)
会長短信「春夏秋冬(15)」「地区獣医師大会に出席して」(平成26年10月23日)
会長短信「春夏秋冬(14)」 「意識改革によって組織の整備・充実を」(平成26年9月25日)
会長短信「春夏秋冬(13)」 「人とペットとの共生社会の構築を」(平成26年8月21日)
会長短信「春夏秋冬(12)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年7月17日)
会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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