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会長短信「春夏秋冬」

会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています

会長短信「春夏秋冬(37)」

「AIPO活動の再開への期待」
 7月21日、動物ID普及推進会議(AIPO)の幹事会が開催されました。公益法人制度改革や東日本大震災等により、前回の幹事会から3年半ぶりの開催となりました。  AIPOは、日本動物愛護協会、日本動物福祉協会及び日本愛玩動物協会の3団体で構成される全国動物愛護推進協議会、並びに日本獣医師会で構成されており、平成14年に発足しました。  その目的は、「犬、猫等の動物の飼養者の飼養責任と義務を明確にするため、マイクロチップ(MC)による犬、猫等の動物の個体識別(動物ID)を普及・推進すること」です。  日本獣医師会は、MCを活用した動物登録事業を平成9年度から開始しましたが、初期の登録は微々たるものでした。  しかし、その後のAIPO及び本会の尽力により登録頭数は漸増し、平成27年度の登録頭数は20万頭を超え、現在の累計登録頭数は137万頭となっています。  このような成果も踏まえ、平成24年9月に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」附則第14条において「改正法施行後5年を目途として、販売の用に供される犬、猫等にMCの装着を義務付けることに向けて検討を加え、必要な措置を講ずる」こととされています。  本会では、平成30年度に予定される法改正において、このMC装着の義務付けが確実に規定されるよう、特別委員会を設置してロードマップに従い検討を進めています。  このAIPO幹事会の再開もその一環としての取組です。  幹事会では、AIPOの普及活動によりMC装着についての国民の理解を深め、平成30年度には販売業者への装着の義務化、販売用以外の犬・猫には次の法改正で義務化を目指したいとして意見の一致を見ました。  一方、MC装着についての現場の獣医師の認識が低いので本会主導で意識改革を図る必要があり、AIPOの体制や規程等についても見直す必要があります。  また、MCは災害時に有効であるためペット災害対策推進協会にも構成団体となってもらってはどうか等の課題も指摘されました。  これらについては、次回の幹事会で協議を行い、平成30年度の法改正の前までには結論を出していくことになりました。  このほか、MC装着の義務付けについては、本会が愛玩動物のMCデータベースの管理者となっているISO規格動物用電子タグ協議会の活動も再開され、MC関係企業の組織化も確認されました。  また、データベースの一元化に向けて、種々課題は有りますがジャパンケネルクラブとの意見交換も実施しています。  期待通りMC装着の法的義務化が実現すれば、MCの装着及び登録事業は、狂犬病予防事業と並び地方獣医師会にとっても極めて重要な法律に基づく公益事業となります。  そのためには、AIPO幹事会でも指摘されたように、地方獣医師会及び会員獣医師の皆さんのご理解と実践が不可欠です。  会員獣医師が個別診療等においてMCを装着し、それを地方獣医師会が取りまとめて飼い主に代行して登録申込を行う体制を確立すること等も考えています。  その実現のためにも、地方獣医師会や会員獣医師をはじめ、AIPO等関係団体との協力体制を構築し、MCの装着及び登録事業に対する国民のご理解を得ていく必要があります。  ともに尽力して参りましょう。 平成28年8月29日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫

バックナンバー

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会長短信「春夏秋冬(18)」「魅力ある組織の発展を期待 -新たな挑戦元年に-」(平成27年1月22日)
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会長短信「春夏秋冬(14)」 「意識改革によって組織の整備・充実を」(平成26年9月25日)
会長短信「春夏秋冬(13)」 「人とペットとの共生社会の構築を」(平成26年8月21日)
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会長短信「春夏秋冬(11)」 「国際馬術競技大会に不可欠な獣医師会の支援」(平成26年6月20日)
会長短信「春夏秋冬(10)」 「地方獣医師会との連携を強化し、迅速な課題解決に向けた更なる決意」(平成26年5月16日)
会長短信「春夏秋冬(9)」 「獣医師会の約束」(平成26年4月21日)
会長短信「春夏秋冬(8)」 「平成25年度獣医学術学会年次大会(千葉)が成功裏に終了」(平成26年3月20日)
会長短信「春夏秋冬(7)」 「共に歩む日本獣医師会に期待を」 (平成26年2月20日)
会長短信「春夏秋冬(6)」 「目標実現の年に」 (平成26年1月17日)
会長短信「春夏秋冬(5)」 「新しい年に向かって」 (平成25年12月18日)
会長短信「春夏秋冬(4)」 「私の活動の原点は動物愛護運動から」 (平成25年11月19日)
会長短信「春夏秋冬(3)」 「五十嵐幸男先生のご逝去に接し」 (平成25年10月17日)
会長短信「春夏秋冬(2)」 「広く国民の理解の下で狂犬病対策の推進を」 (平成25年9月17日)
会長短信「春夏秋冬(1)」 「本会の発展はスピードある対応と組織行動で」 (平成25年8月17日)
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