会長短信「春夏秋冬」
会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン(メルマ日獣)に掲載しています
会長短信「春夏秋冬(45)」
「平成29年度はアジアの獣医師が活躍する年に」
4月の春の季節、関東以西では桜の花が満開を迎える中、平成29年度を迎えました。
新年度においても、私はこれまで申し上げてきましたように、日本獣医師会と地方獣医師会は表裏一体で、情報を共有し同じ価値観と目的意識を持って共に活動して参る決意ですので、皆様方におかれましても引き続きご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
4月1日は、(一社)ペットフード協会等が主催するインターペットにおいて、本会は二つのステージ・プログラムを主催しました。
午前中は「病棟で活躍するセラピー犬」と題して、赤坂動物病院の柴内裕子総院長が取り組んでおられる「人とどうぶつのふれあい活動:CAPP」について、小児病棟での動物介在療法の映像や、ボランティアとセラピー犬が多数登場して、楽しく紹介されました。
また、午後は「ペットと楽しく暮らそう」と題して、冒頭に山本公一環境大臣にご挨拶を頂戴した後、北村直人顧問の司会進行の下、自民党どうぶつ愛護議連会長の鴨下一郎衆議院議員、同事務局長の三原じゅん子参議院議員、そして私の3人によるパネルディスカッションを行いました。
ご自身が心療内科医の鴨下先生から、「ワンちゃんは、家族が怒っているときは隠れ、楽しいときは仲間に入ってくる。人の心を読む力は凄い。子供の情操教育にも良い。」とのご紹介がありました。
三原先生は犬・猫の親の立場から、「子供の数よりペットの数の方が多い時代にあって、ペットの大切さと、親としての飼い主の責任について国民にご理解いただけるよう頑張って参ります。」との決意表明がありました。
4月3日は、日本中央競馬会から助成をいただいて15年ぶりに再開する「アジア地域臨床獣医師等総合研修事業:TP-FAV2」の開講式を開催しました。
前回は平成5年から平成14年までの10年間、アジア14カ国から144名の獣医師を招いて研修を実施しましたが、アジア各国の獣医師会から非常に高い評価を受け、事業終了後も再開を希望する声が絶えませんでした。
今年度は事業再開第一期生として12カ国から12名の獣医師を招聘し、全国12獣医学系大学で1年間の研修を受けることになります。
私からは「先進的な知識や技術を学ぶとともに、日本の習慣や文化を知っていただき、帰国後は母国と日本の架け橋となってご活躍いただきたい。」と挨拶の言葉を述べました。
EPA交渉等により物とサービスの自由化が急速に進展する国際化の時代にあって、大きな力となるのが近隣アジア諸国との友好関係であり、お互いに助け合うことができる人脈です。今回の研修が、前回にも増してアジア地域の獣医師との将来にわたる連携・協力に繋がるよう、大いに期待したいと思います。
昨年11月に福岡県北九州市で開催した「第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議」は、お陰様で大成功に終わりましたが、今年もアジアにおいて大きな国際会議が予定されています。
それは、8月27日から31日まで韓国の仁川(Incheon)で開催される「第33回世界獣医学大会(World Veterinary Congress)」です。
参加予定者数は103カ国から4千人を見込んでおり、隣国である日本からは400人の参加を期待しているとのことです。
私も北九州市の北橋市長とともに参加する予定としていますので、是非皆様方におかれてもご参加いただければ幸いです。
この韓国仁川では、8月28日に世界獣医師会(WVA)の総会が開催され、WVAの次期会長と評議員が選出される予定となっています。
その際には、現在次期会長の台湾のジョンソン・チャン氏がWVA会長となり、いよいよアジアが活躍する時代になります。本会としても、3月21日に開催された平成28年度第5回理事会でご承認いただいた平成29年度事業計画において、“One Health”の実践を含めWVAやアジア獣医師会連合(FAVA)等の国際組織との連携・協力活動への積極的な貢献を行うことにしています。
皆様方におかれましても、このような本会の取組にご理解とご支援をいただき、アジアの獣医師が活躍する年にご一緒に活動して参りましょう。
平成29年4月19日 公益社団法人 日本獣医師会 会長 藏内勇夫
バックナンバー
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