会長短信「春夏秋冬」はメールマガジン（メルマ日獣）に掲載しています

「戊戌は「変化」の年」

　新年明けましておめでとうございます。 　本年は戊戌(つちのえ　いぬ)。 　私達獣医師にとって仕事においても日常生活においても、重要なパートナーである犬に因んで、共に飛躍できる1年にしたいと願っています。 　60年前、昭和33年(1958年)の戊戌の年には、どのようなことが起こったのか調べてみました。 　天皇陛下と美智子妃殿下が婚約され、初めての民間ご出身の妃殿下として、国民の間で大きな話題となりました。また、高さ333メートルの東京タワーが完成し、当時世界一の高さを誇りました。ラジオからテレビの時代への幕開けとともに、洗濯機、冷蔵庫、電気釜などの電化製品が売れ、消費革命時代となりました。 　現在、2020年の東京オリンピック開催に向け、急ピッチで建て替えが進められている国立競技場もこの年に建設されました。 　このように60年前の戊戌は「変化」の時代の幕開けでした。 　戊は「土の兄」とも書きますが、「土」は季節の変わり目を表すとのことで、2018年も「変わり目」の重要な年となりそうです。 　折しも、本年は動物愛護管理法の改正が予定されており、販売用の犬・猫へのマイクロチップ(MC)装着の義務付け、狂犬病予防法に基づく登録制度等へのMCの活用、家庭動物飼育による健康で豊かな人と動物の共生社会の構築、動物看護師の国家資格化に向けた法整備など、大きな変化の年にしなければなりません。そのためには、私達自身が、これまでのルールや慣習にこだわらず、新しい仕組みに変えていく勇気と挑戦が必要です。 　私も、これらの課題の実現に向け先頭に立って尽力して参りますので、皆様方の一層のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 　また、本会は1948年11月9日に社団法人日本獣医協会として再建されましたが、本年2018年は還暦を10年上回る創立70周年を迎えます。 　本年11月30日(金)14時からパレスホテル東京にて「日本獣医師会創立70周年記念行事」を開催することとして準備を進めています。同日午前には全国獣医師会会長会議、翌12月1日(土)には駒沢オリンピック公園にて「2018動物感謝デー in JAPAN“World Veterinary Day”」の開催も予定していますので、これらの行事にも多くの皆様方にご参加いただきますよう、併せてお願いいたします。 　更に前号でもご紹介しましたが、日本・韓国・台湾3カ国の獣医師会による獣医学術協定(MOU)の調印式が、本年1月6日に台湾の高雄で開催された第46回台湾Veterinary Dayの年次大会の席で行われました。MOUに基づき、来年からは3カ国間持ち回りで国際シンポジウムなどが開催されます。本会のアジアをはじめとした国際貢献の一環としての取組みで、こちらへのご協力とご支援もお願いいたします。 　冒頭に述べましたように、戊戌は「変化」の年であり、この「変化」に積極的にチャレンジする年として、私自身、自らの名前のとおり「勇気」を持って、皆様方と共に課題解決に取り組んで参ります。 　本年も何とぞよろしくお願いいたします。 平成30年1月26日　公益社団法人　日本獣医師会　会長　藏内勇夫