【議決事項】 |
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第1号議案 平成15年度暫定予算編成の件 |
大森専務理事から,第60回通常総会までの4月から6月までの期間については,決算実績等基づき,所用の金額を暫定予算としたいとして,提案され,本議案は原案のとおり異議なく承認された. |
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第2号議案 平成15年度一時借入金の最高限度額を定める件 |
大森専務理事から,一時借入金の借入限度額,借入先,利率,使途について提案され,本議案は原案どおり異議なく承認された. |
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第3号議案 日本獣医師会事務局組織規程等の一部改正の件 |
大森専務理事から,前回の理事会において承認を得た事務局組織,職員の人事管理等の見直しに基づき,関係規程の改正案を上程したいとして大要以下どおり提案された.
(1) |
日本獣医師会事務局組織規程については,組織財政委員会の答申のとおり限られた職員定数の中で,最近の多様化,増大する業務を効率的に処理し,人員の機動的な活用を図るため次のとおり改正する.
[1] |
職階制は維持しつつ現行の部課制を廃止し,事務局長を中心とした担当制(スタッフ制)に移行した. |
[2] |
職員の定数を「18人以内」とした. |
[3] |
部長,次長及び課長を廃止し,事務局次長とした. |
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(2) |
日本獣医師会就業規則等の改正については,監事の指摘を踏まえるとともに,最近の民間企業における雇用情勢,公務員に準拠するという観点から,国,地方公共団体,畜産関係団体の処遇状況等を勘案して,人事管理を次のとおり見直した.
[1] |
実働労働時間を30分延長して現行の7時間から7時間30分に改めるとともに,会の創立記念日を休日から除外した. |
[2] |
日本獣医師会職員永年勤続表彰に関し,「10年表彰」を廃止した. |
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(3) |
日本獣医師会職員給与規程に関し,等級格付け基準,初任本俸の格付け基準,昇給及び昇格の基準等の見直しを行った.
質疑等として,{1}新しい給与体系での財政面での差益はどの程度か.{2}対外的には事務局次長という役職分担が分かりずらいと思われる等の質疑・要望等があり,大森専務理事から{1}については,現在,在職者の本俸については,今回の改正によりただちに不利が及ばないよう経過措置を設けているが,長期的にみれば人件費の軽減が図られる.{2}については,総務担当事務局次長,事業担当事務局次長として,担当を明確にすることが回答され,本議案は原案どおり異議なく承認された. |
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第4号議案 賛助会員の入会の件 |
大森専務理事から,前回の理事会以降,個人賛助会員1名,学生賛助会員1名についての入会が提案された後,本議案は原案どおり異議なく承認された.
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第5号議案 日本動物保護管理協会の役員推薦の件 |
辻副会長から,日本動物保護管理協会の役員改選に伴い,同会の役員選任規程に基づき,本会から5名の学識経験者を推薦したいことが提案され,具体的な推薦候補者については,三役に一任することで承認された. |
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【協議事項】 |
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1.組織財政委員会答申に基づく対応の件 |
大森専務理事から,組織財政委員会の答申についての対応は,その内容を踏まえ,地方獣医師会とともに所要の対応を図り,また,新たな検討課題とされた事項は引き続き検討して方向性を明らかにすることとして,本会で取りまとめた「組織財政委員会答申の対応について(案)・(別紙)」について説明された.
質疑等として,(1)基金会計が限度額に達するのは何年後か.(2)獣医師でない者も賛助会員でなく,日本獣医師会の会員と位置づけ,学会参加等で可能となるような組織の見直しも考慮する必要がある.(3)答申の内容は,その達成までの手法が明確にされていない部分もあり,会費値上げの方法等も明確に示すべきであり,答申の具体的な対応については,本来なら理事会で対応すべきと思われる.(4)受益者負担の見地からも小動物診療獣医師の組織を新たに設け,独立採算制で対応することも将来考えるべきである等の質疑・要望等があり,大森専務理事から(1)については,一定の前提を置いた上での試算を15年1月時点で行ったが,これによれば平成18年度末に限度額に達するということになった.(2)については,獣医師が組織する団体である以上,本来,獣医師が構成員であるべきで,組織財政委員会でも獣医師と,それ以外の者を区別する旨の見解が示されており,従来の構成獣医師の考え方を踏襲したい.(3)については,諮問事項についての答申はいただいたが,関連した事項についても検討すべきとの観点から,ご指摘の点は答申に盛り込まれたという経緯があり,附帯的に今後検討する課題として記載された.これが,「今後,検討すべきである」ということで,答申に盛り込まれたが,今後の検討課題とされた事項を含め,組織としての実施を執行するのは理事会であり,理事会における議論・判断をいただき,内容によっては総会に諮った上で対応していくこととなる旨が回答され,本協議事項は「組織財政委員会答申の対応について(案)」に示された考え方で対処することで了承された. |
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2.平成14年度地区獣医師大会の決議要望事項に関する件 |
大森専務理事から,平成14年度の各地区大会における決議要望事項等については,内容を取りまとめたうえ,対応別に考え方を整理したことについて,大要以下のとおり説明された.
(1) |
食の安全確保体制の整備・充実について
[1] |
今通常国会に関係法案が提出され,あわせて農林水産省,厚生労働省では組織の整備が図られる. |
[2] |
要指示医薬品の適正流通・使用に係る指示書発行のあり方等については,産業動物委員会での検討結果を踏まえ,指示書の4枚複写様式(一部を家畜保健衛生所提出用とするもの)とすることについては,その具体的実施に当たり,事前に農林水産省では都道府県の薬事監視担当部局と調整を図る方向で対応している. |
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(2) |
BSE対策の整備・充実について
本会では平成14年度もBSEの正しい知識の普及啓発事業を地方獣医師会主催により28箇所において実施した. |
(3) |
共通感染症対策の整備・充実について
[1] |
厚生労働省では感染症予防法に基づくウエストナイル熱の4類感染症指定を受けてサーベイランス体制が整備され,さらにプレーリードックの輸入禁止措置の発動に伴う診断ガイドラインの整備が図られた. |
[2] |
今後,「感染症予防法」の見直しが予定されているが,共通感染症対策推進のための獣医師の責務の位置づけ等について,厚生労働省と協議を進めたい. |
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(4) |
獣医学教育体制の整備・充実について(報告事項4参照). |
(5) |
地球環境保全対策への取組みについて
野生動物対策委員会において,当面,獣医師が本問題に取組むにあたってのガイドラインを検討する中で,野生動物救護のあり方,飼養の是非,アゴヒゲアザラシの問題等,現場における問題にも取組みたい. |
(6) |
狂犬病予防対策の整備・充実について
[1] |
地方獣医師会における狂犬病予防注射事業については,本会が地区連合会獣医師会会長会議において提示した「狂犬病予防注射事業の対応等について」の趣旨に沿ってそれぞれ地方獣医師会が実情に即した取組み,組織整備,行政対応を図っていく必要がある. |
[2] |
獣医師倫理問題等の対応(報告事項2参照) |
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(7) |
家畜保健衛生所の機能の拡充・強化について
食の安全確保における地域行政機関の機能強化のため,産業動物診療施設との連携や共通感染症対策推進のための保健所,地域衛生研究所及び動物管理センター等の連携・協力体制のあり方を地域の実情に配慮しながら関係者で協議する必要があることから,本会でも家畜保健衛生業務について,関係する委員会で検討したい. |
(8) |
勤務獣医師の待遇改善について
本会では,全国家畜衛生職員会,全国公衆衛生獣医師協議会との三者で各都道府県の情勢認識のための意見交換等を行い,今後の対応の方向について定期的に協議しているが,日本獣医師政治連盟を通じた対応も検討したい. |
(9) |
注射技術料について
自衛防疫事業等の注射技術料に対する国,都道府県の助成措置は,これまで一定ルールの中で改善が図られており,デフレ環境下において技術料報酬の引き上げは厳しいが,各県家畜畜産物衛生指導協会と連携しながら,意見の調整を図る必要がある. |
(10) |
動物愛護対策の推進について
環境省では「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づき,「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」を定め,国,都道府県における動物愛護推進協議会の設立推進のための助成措置や,設立のためのマニュアルの作成が進んでおり,その中で,マイクロチップを活用した個体識別や学校飼育動物への獣医師の関与等についても協議されることが望まれる. |
(11) |
災害時の動物救護マニュアルについて
本会を含め,動物愛護団体等で構成される緊急災害時動物救援本部において作成するよう要望しており,本会も阪神淡路大震災,北海道有珠山噴火災害,三宅島噴火災害時において,関係地方獣医師会が対応した動物救護対策を踏まえ,動物診療に関する専門的な立場から編集に協力することとしている. |
(12) |
地区獣医師会連合大会の見直しについて(協議事項)
第2回地区獣医師会連合会会長会議において,中部地区連合会長から同地区内の一部の地方獣医師会からの要望であるとしたうえで,各地区では開催に伴う予算の負担と実効ある運営方法について,苦慮しており,開催地域を全国数箇所程度に絞る等,今後,全国的な開催方法の見直しの必要性について説明があったが,本件については,これまでも各地区における協議により,それぞれの創意工夫がなされ,対応されてきているところであり,これを全国一律,統一的に対応するよう求めることは困難であるとされた.
質疑等として,[1]家畜保健衛生所の機能の拡充・強化については,中部地区では家畜保健衛生所を小動物から野生動物を含めた,動物医療の総合センターとすることが望ましい.[2]注射技術料については,狂犬病予防注射と比較すると産業動物の技術料は,その格差が大きく,獣医師の雇い上げは,他の業種と比べても低すぎることを要請してほしいことの意見等があった. |
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4.学校飼育動物に関する件 |
辻副会長から,文部科学省で作成中の教師向け手引書「学校における望ましい飼育動物のあり方」について以下のとおり説明された.
(1) |
本手引書は約7万部作成され,全国の小学校等へ配布されるとともに,本会を通じて地方獣医師会へも相当数配布する予定である. |
(2) |
本文中には50数箇所にわたり「獣医師へ相談をする」等の文言があるので,改めて協力を依頼したい.
また,五十嵐会長から群馬県に皇太子が訪問された際,殿下から知事に対し,群馬県の学校飼育動物の取り組みにお褒めの言葉をいただいたことが報告された. |
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5.そ の 他 |
山縣小動物職域担当理事から,[1]日本小動物獣医師会の法人化の動きについて,前回理事会において五十嵐会長から「獣医師組織が団結して結束を強化すべき時に,獣医師の力を削ぐような分派行為は,地方獣医師会の結束を乱し,動揺させかねない.日小獣に節度ある行動を願いたい旨を伝えた.」との説明について,「日小獣の行動をもって,獣医師の組織を割るということにはならないのではないか.」,[2]組織財政委員会答申の対応を受け,今後,職域に係る部会組織の方向づけの検討を行う旨が説明された件を評価する等の発言が,また,中間地区理事から,中村 寛元会長の島根県浜田市における顕彰碑建立の件について,地方獣医師会長をはじめ,多くの獣医師から賛同をいただき,除幕式が開催されたことのお礼と,追って会計報告がされることについて報告があった. |