世界牛病学会
【名 称】 | |
世界牛病学会(World Association for Buiatrics) | |
【事務局所在地】 | |
Prof. Dr. Pierre Lekeux, Secretariat, Universite de Liege, Faculte de Med. Vet., Bat.
B42, Sart Tilman, Bh4000 Liege, Belgium (国内事務局)日本産業動物獣医学会世界牛病学会部会(事務局は日本獣医師会内) 代表 浜名克己(鹿児島大) |
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【組 織】 | |
加盟国40カ国、準加盟国15カ国 | |
【目 的】 | |
牛病に関する研究や臨床経験の結果を報告し、国際的な見地から討議して、牛病に関する研究や臨床の伸展に寄与するための世界牛病学会を組織し、運営する. | |
【沿 革】 | |
1960年に第1回世界牛病学会がドイツ国のハノーバー市で開催され、以後2年に1回開催されている.その間、わが国の研究者は個々に参加していたが、1986年の第14回(ダブリン、アイルランド)から正式加盟国となった.1992年の第17回(セントポール、米国)からは、日本の代表者が15名の理事の1人に選ばれている. 国内的には1987年に獣医系16大学、各地の共済組合、家畜衛生試験場などからなる世界牛病学会日本部会が任意団体として組織され、日本産業動物獣医学会の発足(1990年)に伴って、1991年に移行し、1997年2月には同学会内の内規による世界牛病学会部会となった. |
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【活動内容】 | |
牛病に関するあらゆることを対象とする世界最大の組織で、2年に1回開催される.また世界獣医師会連合の最有力な関連組織として、世界獣医学会の牛病部門の企画運営に協力している. | |
【特 色】 | |
この学会は牛病または家畜衛生、食品衛生に携わる獣医師または関係者は誰でも自由に参加できるのが特徴で、各国とも研究者以上に第一線の臨床獣医師の参加が多い.理事会の方針も理事の半数は学者ではなく臨床獣医師とすることになっている. 過去数回の参加国は40〜51カ国で、参加者は獣医師約1,200名程度である.同伴者、企業関係者も多いのが本学会の特徴で、毎回数百名に達している.わが国からの参加者数は、第14回の11名から、19名、31名、21名、50名、53名となり、前回の第20回は60名に達した.日本部会では、誰もが参加できるように毎回ツアーを企画している. 1998年7月の第20回(シドニー、オーストラリア)では、「動物の健康維持、適切で収益性のある生産、消費者の安全性確保、および動物福祉に関する重要なパートナーとしての牛病臨床獣医師の専門知識の増進」をテーマに、基調講演10題、口頭発表240題、ポスター発表160題の計410題が5会場で発表され、連日朝から夕方まで盛況であった.日本からも過去最多の口頭8題、ポスター7題の計15題が発表された.また世界的な会社がスポンサーとなったシンポジウムやセッションも多く持たれ、盛大な展示とともに企業関係者との交流が活発になされた. 口頭発表のセッション名は、演題数の多い順に、牛の繁殖、乳房炎、起立不能症、蹄疾患、子牛下痢症、寄生虫症、第四胃変位 、呼吸器病、先天異常、ワクチン、群管理、栄養、動物福祉、外科疾患、その他であった. 日本からの参加者が多い理由の第1は、世界牛病学会が獣医学関係では世界最大の権威ある組織であるにもかかわらず、その視点は常に第一線の臨床および衛生担当者に向けられており、その人達がすぐ明日の活動に役立つ最新の知識と技術の情報にあふれているからである.第2は臨床獣医師、政府機関、大学、民間会社等が渾然一体となって、和気あいあいとした楽しく有益な雰囲気をかもし出していることによる.第3は開催国と開催担当者の熱烈な歓迎と細やかな配慮があり、開催地は常に観光資源にめぐまれている.第4は学会前後の有意義でかつ楽しい視察旅行がある.等々、要するにまず楽しくかつ有意義である. (文責:浜名克己) |
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![]() グラスゴー大学獣医学部を視察した牛病学会参加者 |