| (5)獣医学教育の抜本的改革に関する提言 以上のような国内・外の獣医学教育事情ならびに社会からの多面的な要請と国際的な趨勢に対応するため,今後におけるわが国の獣医学教育について,次のような抜本的改革を提言する.
I 獣医学教育の歴史1)獣医学教育機関の変還わが国で西洋獣医学の教育が始まったのは1878年(明治11年)駒場農学校でヤンソン教授が,札幌農学校ではカッター教授が獣医学教育を行ったのが最初である.その後1883年大阪獣医学講習所,1884年に岩手縣獣医学校が開設され,1885年(明治18年)に獣医師免許規則が公布されて,行政的にも農商務省に畜産・獣医課が設置された.1890年に東京帝国大学(現東京大学)に獣医学科が設置されて,大学4年制の獣医学教育が開始された.また,1907年に東北帝国大学農科大学(現北海道大学)にも獣医学講座が開設された.1893年には陸軍獣医学校が設立されて,軍馬のための獣医師養成が行われた.その後,各地の農学校に獣医科が設けられ中等教育としての獣医学教育が行われたが,1902年に盛岡高等農林学校に獣医科が設けられ,1930〜1938年にかけて東京高等獣医学校,麻布獣医専門学校,日本高等獣医学校など私立の中等教育が専門学校教育に改組されて獣医学教育が行われた.また,1935年に,東京高等農林学校が創立され獣医学科が設置された.その後,県立の農学校が高等農林学校となり宮崎,鳥取,鹿児島,帯広,大阪,岐阜,宇都宮が高等農林学校となり獣医科が設置された.また,1944年に慶応獣医畜産専門学校が設立された.このように獣医学教育は馬医や伯楽による東洋医学を応用した時代から,明治時代に西洋獣医学が導入されて,中等教育の農学校における獣医学教育を経て,高等教育の専門学校または大学において獣医学教育が行われてきた. |