PCVの細胞培養における増殖は悪い.PS細胞に接種した場合,接種後24時間で1〜2%の細胞に抗原が出現し,6〜7日後に感染細胞は最高の50%に達したが,感染価は103.5〜104.5 TCID50/mlに過ぎなかった[27]. PMWSの病因に関しては,二次的感染因子の関与が強く疑われている.PCV感染材料を経鼻接種された3日齢のノトバイオート豚には,5週後の検索によってPCV-2のほか豚パルボウイルスが検出され,PMWSの病因においてPCV-2と豚パルボウイルスの関与することが示唆されている[13].さらにPCV-2と豚パルボウイルスの混合を経鼻接種された1〜2日齢の初乳非摂取豚は食欲不振,不活発,体重低下,嗜眠などの症状を示し,一部は死亡した.さらに21〜26日後の剖検によりPMWS野外例類似の病変が認められ,各器官にPCV-2と豚パルボウイルスの抗原が検出された.これらの結果から,豚パルボウイルスの同時感染がPMWS病変の発現に対して素因を与えるものと示唆されている[1].カナダにおける豚のPCV-2に対する抗体調査によると,抗体陽性でありながらPMWSの症状を示さない豚が高率に認められることから,無症状感染の存在が示唆され,またPCV-2をPMWSの唯一の原因と見なすこと,あるいはPCV-2のすべてが病原性を有すると見なすことに疑問が提起されている[20]. PMWSの病変の一部がPRRSのそれに類似することから,PMWSの病因におけるPCVとPRRSウイルスの相互作用が推測され[13],あるいは両ウイルスの混合感染例が経験されている[12, 21, 24, 28].わが国に発生した1死亡例からはStreptococcus suis type 1およびPRRSウイルスが分離された[26].このほかMyco-plasma hyopneumoniae, Pasteurella multocida[30]およびα-hemolytic streptococcusの混合感染が疑われ[18],あるいは証明されている. このようにPMWSの病因については,PCV-2そのものおよび二次的因子についてさらに詳細な検討が必要なようである. |
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