2.小動物診療料金の実態調査結果(抜粋)

 日本獣医師会では,昨年から今年にかけて,会員獣医師の小動物診療施設開設者を対象に,小動物診療料金の実態調査を行いました.(736頁に掲載)
  その結果,全国で合計1,631名からの回答を得て,各診療料金の実態が明らかになりました.
  以下はその抜粋ですが,この調査は,小動物診療料金について客観的な情報を提供することにより,小動物医療の透明性を高め,その適正化を図ることを基本としております.

[調 査 概 要]

  調査対象:小動物診療施設を開設している全国の会員獣医師(5,675カ所)
  回答数:男性1,509件,女性117件,無回答5件,計1,631件(回答率:28.7%)
  調査期間:1998年12月〜1999年4月

1)初 診 料
  初診料に関しては,「無料」としたものが8.7%で,最も多かった回答が「1,000〜1,499円」(56.5%),もっとも高かったのが「4,000〜4,499円」(0.1%),平均は1,191円でした.
    「無料」 142件( 8.7%)
    「500円未満」 42件( 2.6%)
    「500〜999円」 176件(10.8%)
    「1,000〜1,499円」 921件(56.5%)
    「1,500〜1,999円」 275件(16.9%)
    「2,000〜2,499円」 65件( 4.0%)
    「2,500〜2,999円」 0件( 0.0%)
    「3,000〜3,499円」 3件( 0.2%)
    「3,500〜3,999円」 0件( 0.0%)
    「4,000〜4,499円」 1件( 0.1%)
    「5,000円以上」 0件( 0.0%)
    無回答 6件( 0.4%)
  2)入 院 料
  1日の入院料(看護料,フード料などを含む)の平均は,小型犬が2,706円,中型犬が3,167円,大型犬が3,906円,特大型犬が4,444円,猫が2,576円,鳥類が1,466円でした.また入院動物の1日の冷暖房料を徴収する場合の平均は299円という結果でした.
  3)予防注射料
  ワクチンなどの生物学的製剤注射料(薬剤料を含む)の平均は,以下の通りでした.
・狂犬病予防注射料(注射済証明書料は除く) 2,873円
・伝染病予防注射料(注射済証明書料は除く)
   1種ワクチン 3,917円
   2種以上の混合ワクチン 8,185円
  4)不妊手術料
  不妊手術1回に対する手術料の平均は以下の通りです(薬剤料,麻酔料,入院料などは除く).また,動物により難易度・料金が異なることがあります.
・犬(雄) 15,379円
*5,000円未満:2.3%,「10,000〜14,999円」:30.4%(最大値),「50,000円以上」:0.2%
・犬(雌) 24,176円
*5,000円未満:0.7%,「20,000〜24,999円」:27.2%(最大値),「50,000円以上」:0.6%
・猫(雄) 11,541円
*5,000円未満:7.1%,「10,000〜14,999円」:36.8%(最大値),「50,000円以上」:0.2%
・猫(雌) 18,496円
*5,000円未満:1.0%,「15,000〜19,999円」:30.3%(最大値),「50,000円以上」:0.1%
  なお,麻酔料の平均は注射麻酔で6,422円,吸入麻酔で9,374円でした.

 3.動物医療相談窓口の設置について

 日本獣医師会では,このたびのIC徹底宣言と同時に,より開かれた動物医療を実現するため,各都道府県および7市の地方獣医師会による,動物医療一般に関する相談窓口の設置を推進します.
  これは,ペットの健康相談,病気のことなどについての相談を受け付けるものです.