別記2.

記者発表の内容

 社団法人 日本獣医師会(会長:五十嵐幸男)では,このたび,獣医師および獣医師会に対する社会の信頼を高め,より適正な動物医療を提供するため,全国の獣医師が一体となった「インフォームド・コンセント徹底宣言」を行います.また,同時に診療料金の例示様式を作成し,全国の会員獣医師の診療施設に掲示するとともに,各都道府県および7市の獣医師会における動物医療相談窓口の設置を推進します.

 近年,犬や猫などの動物が,“家族の一員”として位置づけられるようになるとともに,“ヒーリング”といった役割をも担いつつあります.またそれに伴い,動物医療の重要性も高まり,より適正かつ手厚い医療が求められています.
  その一方で,最近の獣医療過誤,過剰診療,高額診療料金といった一部の獣医師による問題が取り上げられ,獣医師およびその医療体制全体への信頼を揺るがしかねない事態となっています.
  こうした背景のなか,社団法人 日本獣医師会では,獣医師および獣医師会に対する信頼を高め,より適正な医療を行うため,全国の獣医師が一体となった「インフォームド・コンセント」の徹底を宣言することにいたしました.

  「インフォームド・コンセント」(以下IC)の徹底とは,まず獣医師と飼い主とのコミュニケーションを深めるため,ペットの病気に関する説明,その病状,治療方針,予後,診療料金などについて,十分に説明を行い,了解を得て治療などを行うとともに,各種診療情報を積極的に開示するというものです.
  また,ICを徹底している診療施設であることを示すため,IC徹底を宣言するポスターを会員獣医師の施設に掲示し,同時に診療料金表の例示様式を作成し,診療料金の内容を施設内に掲示します.
  さらに,各都道府県および7市の獣医師会においては,一般の飼い主などを対象にした動物医療一般に関する相談窓口の設置を本年度中をめどに推進いたします.
  小動物医療では,人の医療におけるような健康保険制度がなく,自由診療料金制となっており,診療料金の設定は,各診療施設がそれぞれ個々に定めることになっておりますが,日本獣医師会では,飼い主の方々が十分に納得できるよう,診療費の明細を明らかにするなど,その透明性や客観性を確保するよう会員獣医師を指導しております.なお,獣医師会が診療料金の基準を作成したり,標準料金を定めることは,独占禁止法に抵触します.
  このたびのIC徹底宣言は,そうした実状を踏まえながら,より開かれた医療,適正な獣医療サービスの提供をめざすものです.
  なお,このたびのIC徹底宣言などの施策は,日本獣医師会から各都道府県および7市の獣医師会を通じて会員獣医師に通知し,今秋から随時実施します.

 詳細は,以下の通りです.