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第65回通常総会の開催
本会の第65回通常総会が,平成20年6月26日,明治記念館 2階「蓬莱の間」にて,獣医師問題議員連盟事務局長の森 英介衆議院議員をはじめ,関係省庁である農林水産省,厚生労働省,環境省,文部科学省幹部及び社団法人中央畜産会他,関係団体からの臨席を得て,開催された.
本総会においては,「第1号議案 平成19年度事務事業及び決算報告の件」,「第2号議案 平成20年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件」,「第3号議案 平成20年度会費及び賛助会費の件」及び「第4号議案 役員補欠選任の件」が上程され,異議なく可決承認された(総会の議事概要は下記のとおり). |
第65回通常総会の議事概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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〈社団法人日本獣医師会 山根義久会長〉 本日は,公務ご多忙の中,遠路より多数ご臨席いただき厚くお礼申し上げます. また,来賓として,獣医師問題議員連盟の事務局長の自由民主党衆議院議員の森 英介先生にご臨席いただいております. さらに関係省庁から,農林水産省佐藤正典消費・安全局長,厚生労働省医薬食品局藤ア清道食品安全部長,環境省黒田大三郎大臣官房審議官,文部科学省高等教育局藤原章夫専門教育課長,関係団体等から,社団法人中央畜産会菱沼 毅副会長,社団法人日本獣医学会西原眞杉理事長ほか,多数の方々にご臨席いただき,本通常総会が盛会に開催されますことを心より嬉しく感じるとともに,厚くお礼を申し上げます. また,この1年間,獣医事の事業運営に際して,多大なるご理解とご支援をいただきましたことを改めてお礼申し上げます. ご存じのように国内外では,非常に大変な天災,人災による事故,事件が発生しています. まず,先頃の中国四川省での大地震に続き,日本でも岩手・宮城内陸地震が発生しました.被害に遭われた方々にお悔やみと,お見舞いを申し上げます. また,今,最も社会から注目されているのは,昨今の新聞紙上を賑わせている,ウナギや牛肉の産地偽装等の続発です.今後,我々は専門職業人である,獣医師としての誇りをもち,獣医師倫理に則り行動する必要性を痛切に感じています.さらに獣医事審議会においても,獣医事にかかる様々な問題が議論されており,我々は自分自身をしっかりと律する必要があるとの思いから,今回,第65回目の総会で初めて獣医師倫理綱領を読ませていただいた次第です. 日本獣医師会においては,喫緊の課題が多数あるが,6月11日,自民党本部において獣医師問題議員連盟総会が谷津会長の尽力により開催され,日本獣医師政治連盟に出席要請があり,獣医師及び獣医療に関する課題として4つの課題について提案し,説明申し上げました. 1つ目が獣医学教育の整備・充実です.今,教育体制が不十分であるため,多くの問題が起きており,結果的に獣医師偏在の問題へも繋がっています.産業動物の教育は手薄であるため,この分野を志す学生は少なくなってきているのです.まず我々は積年の課題である獣医学教育の整備・充実について,具体的な対応を推進する必要があります.そのためには政治家の方々,行政の方々のご理解とご支援を得てこそ,前進するものと理解しています. 続いて,2つ目には,多くの地方獣医師会から要請いただいている,獣医師需給対策及び処遇改善の問題です.議員連盟総会では,本件について深く議論いただいき,ご理解をいただいたと思っている次第です. 次に3つ目として,動物医療を確立するためには,パラメディカルの専門職,いわゆる動物看護職を整備する必要があります.本件は,来年,岩手県で開催される学会年次大会において,看護師協会を設立する予定で,準備を進めているところです. さらに4つ目は,狂犬病予防対策の徹底及び家庭動物の個体識別の推進であり,以上の4つの課題を説明申し上げた次第です. 特にこの中でも処遇問題については,様々な事情があり,我々としても苦慮する面が多々ありますが,本問題は地方公務員という観点から地方の議会,また処遇の裁量権を有する知事の理解がなければ進展しません.これについては,藏内副会長の尽力のもと,全国知事会の会長である福岡県の麻生知事とも直接面談し,理解を求めた経緯があります.先日は,北海道獣医師会の創立記念式典に招かれ,そこで高橋道知事ともお会いし,支援をお願いしました. しかし,我々,日本獣医師会のみの活動だけでなく,地元議員の方々の理解がなければ進みません.今後,地方獣医師会にも積極的に活動いただき,地方議会と太いパイプをもった上で,知事に要請文を出していただくよう取組んでいただきたいと思います.現状では,全国の地方獣医師会が皆一致して足並みを揃えた活動がされておらず,温度差があることを懸念していますが,獣医師の需給対策,偏在の解消に向けた人材誘導等について,ご理解とご支援のほどをよろしくお願いします. 以上,日本獣医師会では,早急にこの4つの課題について解決に向けた具体的な方向を示す必要があると考えています. 一方,5月28日,横浜で第1回野口英世アフリカ賞の受賞式があり,天皇・皇后両陛下のご臨席のもと,本賞を受賞された,医学研究分野のブライアン博士,医療活動分野の女性医師であるウェレ博士のお二人に1億円の副賞が授与されました.翌日には,東京の国際連合大学ウ・タント会館でお二人の記念講演があり,その際,アフリカ元首等の出席者が日本を再認識し,感激の涙を流される姿を目にし,獣医師会もようやく社会の認知をいただいたという気持ちになりました.これもひとえに会員の皆様の力強いご支援によるものと,改めて厚くお礼を申し上げる次第です. また,来年1月末には岩手県で年次学会を開催する予定ですが,現在,岩手県獣医師会金田会長以下,関係者に大変ご尽力いただいており,ぜひとも構成獣医師諸氏,周知徹底してご参加いただきますことを厚く要望いたします. そして,12月1日から内なる課題である公益法人改革がスタートします.今,地方で意見を伺うと,こちらも温度差があり,日本獣医師会が55の正会員とともに,従来どおり公益法人として存続できるのか,不安な面もありますが,すべての地方獣医師会が共通の意識を持って,一丸となって公益認定に向かって努力することが重要です. 現在,2期目の半分の任期を経過したところですが,多くの課題については,三役を初め,皆様と一致団結して,喫緊の問題から順に取組んでまいりたいと考えています. 本日の総会においては,各議案を審議いただくに当たり,所感を述べさせていただいたところですが,各位の深甚なるご理解とご支援をいただき,困難な多くの難問についても,引き続き地方獣医師会及び構成獣医師各位のご理解とご尽力をお願いする次第です.よろしくお願いいたします. |