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3 平成20年度以降の日本獣医師会学会年次大会開催計画の件
 大森専務理事から,開催候補地の選定等については,これまでの理事会において対応の考え方が整理されているが,年次大会は各地区(ブロック)の地区学会を集大成して毎年度末に開催するものという位置づけであり,これまでの経緯等を踏まえ,地区(ブロック)持ち回りとし,大会運営は日本獣医師会と地区(ブロック)代表の開催地担当地方獣医師会の共催による地方獣医師会運営委託開催形式とする.その選定にあたっては,特定の地区に集中しないように配慮するとともに,3〜4年先の担当地方獣医師会までをあらかじめ候補地の地方獣医師会の受入体制等の意向を聴した上で選定する.一方,日本獣医学会との連携については,これまで,[1]日本獣医学会学術集会と,[2]学会年次大会,地区学会との間での連携開催を試行しているが,今後とも輪番による開催候補地の選定等の連携開催の条件が整うケースについて検討する.さらに学会年次大会と学術集会の連携開催については,両団体の双方において連携開催の受入条件が整備されることを前提に,開催の実現を目標とするとされている旨,説明がなされた.以上の考え方に基づき事前の調整を行ってきたが,平成20年度の学会年次大会については,岩手県獣医師会共催(岩手県獣医師会に運営委託・東北獣医師会連合会協力開催形式)により平成21年1月22日〜24日,いわて県民情報交流センター並びに盛岡市民文化ホールにて,21年度は宮崎県獣医師会共催(宮崎県獣医師会委託・九州地区獣医師会連合会協力開催形式)により平成22年1月29日〜31日,ワールドコンベンションセンターサミットにての開催が予定されている旨が説明された.

4 平成19年度地区獣医師会連合会会長会議協議に基づく対応の件
 (1)新公益法人制度(公益法人制度改革)対応について
 (2)平成19年度地区獣医師大会決議要望事項等に対する対応について
 大森専務理事から,新公益法人制度(公益法人制度改革)及び平成19年度地区獣医師大会決議要望事項等については,地区獣医師会連合会会長会議協議に基づき対応することとし,明日の全国会長会議においても説明する予定である旨が報告された後,次のとおり説明が行われた.
  《本誌第61巻第4号249〜259頁(平成18年度地区獣医師会連合会会長会議議事概要)参照》
  なお,新公益法人制度に向けての当面の対応として,基本的な考え方として,今回の公益法人制度改革の趣旨・目的は,「民間公益活動の活性化を通じて,非営利公益セクターを大きく,強くすることにより,民が担う公益の実現を図ること.」とされていることを念頭に,地方獣医師会におかれても,各地方獣医師会が民法第34条の規定に基づき設立された公益法人であることを踏まえ,引き続き高度専門職業人としての獣医師が組織する公益法人として関連三法の下で,広く獣医学術の振興・普及・その他の獣医事に係る公益活動の推進による動物医療提供の質の確保を通じ,獣医師及び動物医療についての社会的評価の向上を目指すべく,先ずは,認定要件等の点検整備に努めて,併せて公益社団法人の認定に向け会員の合意形成とともに,組織内対応に資するための協議・検討機関を設置(又は設置を検討)いただきたい.さらにパブリックコメント中の「公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)(案)」及び「公益法人モデル定款暫定試案((財)公益法人協会作成)」が示され,ガイドラインについては難解で中身を十分咀嚼する必要があること,モデル定款については,暫定試案であり,今後,逐次改定されていくと思われ,現段階では,先に示された「新制度移行のためのチェックポイント((財)公益法人協会作成)」等を参考に検討いただきたい旨が補足説明された.

5 「野口英世アフリカ賞」募金活動の件
 大森専務理事から,前回協議した「野口英世アフリカ賞」募金活動については,これまでのところ41地方獣医師会及び1地区獣医師会連合会から合計320万円の支援をいただいたことについてお礼が述べられた後,これに,今後,本会拠出分を加え,本寄付事業を運営するJICA(独立行政法人国際協力機構)に送金する予定である旨報告された.

6 愛がん動物用飼料の安全性確保に関する法律案の国会提出の件
 大森専務理事から,中国産ぺットフードによるアメリカでの犬猫の死亡事例を契機に,平成19年8月,農林水産省と環境省共同により「ペットフードの安全・確保に関する研究会」が設置され,11月に研究会が中間とりまとめを報告したところであるが,これを受け,平成20年3月3日「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案」が閣議決定され,本法律案が第169回国会に提出されているところである.法律案の概要として,愛玩動物用飼料の安全性の確保を図り,もって愛玩動物の健康を保護し,動物愛護に寄与することを目的とし,愛玩動物用飼料の基準または規格の設定(農林水産大臣,環境大臣が製造方法等の基準,成分の規格を規定)するとともに,製造業者,輸入・販売業者に対する規制として,基準・規格に反する飼料や有害な物質を含んだ飼料については,製造,輸入,販売の禁止,廃棄等の命令, さらに製造業者等の届出,帳簿の備付け,報告徴収・立ち入り検査等が規定される.なお,獣医師に本法令上の義務等はないが,飼育動物の診療時,飼料に起因する健康被害事例に遭遇した場合,当局に対する積極的な報告等の協力については,獣医師の責務であると考えられる旨説明された.

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