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解説・報告

小動物医療の高度化・多様化の要請に応える
−ネオ・ベッツVRセンター−

本田善久(大阪市獣医師会理事・(株)ネオ・ベッツ取締役)

本田善久
 1 は じ め に
 近年の少子化,高齢化に伴う犬・猫等の飼育世帯の増加,動物愛護思想の普及により,小動物臨床家が飼い主から求められる医療はより高度化,多様化してきている.日本獣医師会小動物臨床部会,小動物委員会においても,高度専門医療,夜間休日診療体制の整備のあり方等についての検討が行われている.(株)ネオ・ベッツでは1989年から夜間診療を,2005年からは100%二次・紹介診療を行うネオ・ベッツVRセンターを開院し,運営を行っているので,その概要を報告する.

 2 設立に至る経緯
 1989年9月,将来的には大阪に飼い主そして獣医師のためのセンター病院の設立という志を共有した26名の開業獣医師が集まり,大阪市淀川区十三に日本初の夜間救急動物病院を開院した.1992年には大阪府堺市に移転をし,現在に至っている.その後2001年11月にはCTセンターをオープンし,地域の開業獣医師からの依頼によるCT検査を開始.2005年10月には当初の目的であったVR(Veterinary Referral)センターを開設することができた.現在株主病院総数は135病院となり,地域の開業獣医師との連携により順調な運営が続いている.VRセンター開設と同時に,夜間には地域の夜間診療の拠点としての役割を担うことを目指しERセンター(ネオ・ベッツVR夜間センター)を開院した.堺市の施設はERセンター開設に伴い建て替えを行い,2006年10月にER堺(ネオ・ベッツ夜間救急動物病院)として再オープンした.
図1 ネオ・ベッツVRセンター・ERセンター外観
図1 ネオ・ベッツVRセンター・ERセンター外観
図2 ER堺(ネオ・ベッツ夜間救急動物病院)外観
図2 ER堺(ネオ・ベッツ夜間救急動物病院)外観

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