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学術・教育

─ 獣医学における学位の取得(IV) ─
博士取得のすすめ
(日本獣医生命科学大学大学院 獣医生命科学研究科)

今井壯一(日本獣医生命科学大学大学院獣医生命科学研究科研究科長))

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 近年,研究職に就いている方のみならず,臨床に携わっている獣医師の方々からも学位取得の気運が高まってきていると聞き及んでいる.獣医師の社会的地位の向上にも大きな貢献をなすものとして,誠に喜ばしいことであると考えられる.本連載の端緒に帯広畜産大学の三宅陽一先生が書かれた通り,「獣医師はサイエンティストでなければならない」というのは,正にその通りであり,科学的なものの見方,考え方,また得られた成果を纏めて公表する能力を培うためには学位論文の作製ほど,良いトレーニングの場はない.本誌をお読みの獣医師会会員の方々も是非博士の学位にチャレンジしてみてはいかがだろうか.
 今回は日本獣医生命科学大学大学院における学位取得のシステムについて紹介したい.
 本学の大学院は獣医生命科学研究科の中に獣医学専攻博士課程と応用生命科学専攻修士課程がおかれている.獣医学専攻博士課程は昭和37年に獣医学研究科獣医学専攻として発足した.研究科の目的は,「大学院は,獣医学及び応用生命科学を教授研究し,その深奥を究めて,文化の進展に寄与するとともに,専攻分野について研究者として自立して研究活動を行い,またはその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする」と,大学院学則第1条に謳っている.ご存知のように,獣医学専攻は昭和59年の獣医学教育6年一貫性の発足とともに,医学,歯学などと同様,4年制博士課程のみとなり,現在のところ修士課程は設置されていない.
 獣医学専攻には平成19年度現在17名の研究指導教授が在籍しており,基礎獣医学 II 専門分野,基礎獣医学タ専門分野,臨床獣医学専門分野,応用獣医学専門分野のそれぞれの専門分野を担当している(担当者と研究指導分野は表参照).博士課程の募集人員は,平成19年度に5名から8名に増員された.


表 
日本獣医生命科学大学大学院獣医生命科学研究科獣医学専攻博士課程の担当者,研究指導分野及び受験の際の専門試験科目(平成18年現在)

表 日本獣医生命科学大学大学院獣医生命科学研究科獣医学専攻博士課程の担当者,研究指導分野及び受験の際の専門試験科目(平成18年現在)


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