II 農林水産省の獣医師の需給に関する検討会報告書(要旨)
- 検討会の目的
今後30年程度の中長期的な獣医師の需給の見通しを策定することにより 獣医師の確保をはじめ様々な獣医療政策の展開に資する基礎資料とする.
- 需給推計に当たっての主な前提条件
(1)診療対象動物の飼育頭数
ア 家 畜
政策目標(食料・農業・農村基本計画)を勘案し,2015年で政策目標を達成,その後変化せず
イ 犬・猫
現状で犬1,245万頭,猫1,055万頭.2020年に犬1,307万頭,猫1,118万頭をピークにその後は一定
(2)獣医師1人当たり年間必要診療頭数
ア 肉用牛・乳用牛
現状で肉用牛1.22回,乳用牛2.58回,今後変化なし
イ 豚・鶏・馬
現状で豚30戸,鶏40戸,馬300頭,今後変化なし
ウ 犬・猫
現状で犬3.25回,猫1.97回,今後10から20%伸びる
(3)獣医師1人の1日当たり診療可能頭数
ア 肉用牛
現状で7頭が2015年に10頭,その後一定
イ 乳用牛
現状で15頭,今後とも一定
ウ 犬・猫
現状で犬14頭,猫15頭,今後,診療の効率化が10%程度進展
- ま と め
(1)2040年の需給見通し
ア 現状値推計においては,ほぼ全体需給は均衡する.
イ 犬・猫の診療回数が10%から20%伸びる場合,1,600人から3,500人程度獣医師が不足する.
ウ 一方,犬・猫の診療の効率化を勘案した場合,[1]診療回数が現状値で推移した場合,1,000人から1,300人程度獣医師が過剰となる.[2]犬・猫の診療回数が伸びる場合,10%の伸びで需給は均衡するが,20%の伸びで1,900人程度獣医師が不足する.
エ 産業動物診療獣医師の不足が発生する.また,畜産分野,公衆衛生分野の公務員獣医師の確保が困難化する.
(2)今後の取り組み
ア 獣医師の活動分野間,地域間の偏在の是正は,今後検討する基本方針の策定に反映されるべき
イ 今後の情勢によって獣医師の需給は変化する.今後とも需給見通しの策定を行い,需給の動向を慎重に見極める必要がある.
注:検討会報告書の全文は,農林水産省ホームページに掲載 |
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