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【議決事項】
第1号議案 平成19年度暫定予算編成の件
 大森専務理事から,4月から6月までの予算については,基本的に前年の予算を踏襲することとし,総予算に見合った繰入金の減額,前年との開催方式の変更に基づく年次大会会計の一般会計への計上,新公益法人会計に基づく科目の変更,当ビルの長期修繕計画における負担金の増額等変更となった部分のみ説明された後,本議案は原案どおり異議なく承認された.

第2号議案 平成18年度一時借入金の最高限度額を定める件
 大森専務理事から,金額,期間,借入先等は昨年度と同様である旨説明された後,本議案は原案どおり異議なく承認された.

第3号議案 賛助会員入会の件
 大森専務理事から,前回の理事会以降,団体賛助会員1団体について入会の承認が求められた後,了承された.

【協議・検討事項】
1 職域別部会委員会報告の件(説明と今後の対応)

 大森専務理事から,学術部会(学術・教育・研究委員会,獣医師専門医制検討委員会),小動物部会(野生動物委員会),畜産・家畜衛生部会(家畜衛生委員会),公衆衛生部会(公衆衛生委員会)において,委員会報告がとりまとめられたことを受け,各部会長から取りまとめの概要及び今後に向けての対応等についての説明が依頼され,各部会長から次のとおり報告がなされた後,了承された.
(1)学術部会
酒井部会長から次のとおり説明がなされた.
ア 学術・教育・研究委員会報告
 委員は国立,私立大学の獣医学教育関係携わる教官等で,関係省庁の担当官にも意見聴取し検討した.まず,獣医学教育の現状と改善に向けての取り組みとして,これまでの獣医学教育における検討の経過,平成13年の各大学同一様式による横断評価を点検システム導入等の取り組み踏まえ,今後外部評価の必要を明確にした.次いで獣医学教育の改善における外部評価の必要性については,学校教育法に基づき,大学設置基準に定められた自己点検評価システムに加え,第三者の認証機構による評価が必要であることとし,さらに国際的に通用する獣医師養成機関として,国際的な評価システムとの連携を図ることが,関係者における長年の懸案であるとした.システムについては,基本は自己点検,自己評価とするが,前委員会で標準的カリキュラムを示されたので,それに基づく点検のあり方を明記した.その手順については,自己点検評価を取りまとめ,さらに自己点検評価を実施している獣医系大学は,その結果を外部評価実施機関に提出して,外部評価を申請することとした.審査料は,現在各国で実施されているように審査を受ける大学が実費負担をすることとした.最後に,獣医学振興の立場にある社団法人日本獣医学会及び社団法人日本獣医師会等の関係団体・機関による連携のもと,文科省の協力によって推進されたい旨結論づけ取りまとめた.

イ 獣医師専門医制検討委員会報告
 動物医療分野における診療技術の高度化・多様化に対する社会的要請が高まる中,現在獣医師専門医の必要性が高いが,まず,我が国の専門医養成のためのプログラムは不十分であるが,現状においては専門医制度の確立が必要であることを再認識した.専門医の運営の考え方については,医学,歯学ですでに実施されているように,一定期間の研修プログラムを修了し,認定団体の試験に合格するという方法に準ずるようなシステムを選択すべきとした.この認定については,獣医師専門医機構を設立し,その中で獣医師会が中心的役割を果たすことを示した.機構の運営は基本的に各専門医認定団体から納付される会費でまかなうこととするが,当分の間,機構の運営における日本獣医師会の役割を大きく期待するということ結論に至っている.なお,専門医制度の確立を目指すことは,一部の学術団体が実施している,いわゆる「認定医制」については,我々が常に目標を求めて自己研鑽,自己学習することは獣医師のレベルアップにつながるとの趣旨からも否定するものではないとした.

(2)小動物臨床部会野生動物委員会中間報告
 細井戸部会長から,今回,外来生物法の施行を受け,日本獣医師会は,外来生物に対する日本獣医師会としての対策の位置づけを明確化した上で,今後とも諸対策の一層の整備・充実を図る必要があるとの考えの下,平成17年10月から平成19年2月まで4回,日本獣医科学大学の羽山教授を委員長とする小動物臨床部会野生動物委員会において,検討テーマである「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の施行等に伴う課題と対応」について検討し,「日本獣医師会としての外来生物に対する考え方」を取りまとめたものが本中間報告書である.
 まず,様々な外来生物の問題をかかえる状況下で,日本獣医師会が明確な外来生物定義づけを広報することが重要との考えに基づき,外来生物を定義し,次に,外来生物に起因する問題を分類した.外来生物に対する対策の考え方は,先の定義に基づき分類し,その推進の方向は,現在の法律のブラックリスト方式からホワイトリスト方式へ転換すべきとの方向で,法整備,体制整備を示唆した.現在,外来生物の防除について検討中であり,その方法等は後日取りまとめる予定である.最後に,獣医師会が現状で取り組む課題を明記した.現在,多くの獣医学系大学が野生動物関係の研究室等の未整備な状況であり,さらに動物取扱業者,一般市民に対する指導・啓発の重要性が高まっており,今後,獣医師会として取り組むべき課題であるとした旨説明された.

(3)畜産・家畜衛生部会家畜・衛生委員会報告
 戸谷部会長から,検討テーマである「家畜衛生職域の現状と課題への対応」として,検討を進めた.第1回の委員会以降,関係省庁担当官から意見聴取等し,検討の項目整理してきた.
 まず,はじめに,家畜保健衛生所の業務の範囲が拡大したが,必ずしも業務遂行に相応しい状況にはない旨延べ,現状を認識,分析した上で,家畜保健衛生業務のあり方,高病原性鳥インフルエンザ対策の推進,家畜保健衛生部門と公衆衛生部門の連携のあり方,家畜衛生対策を推進する上での獣医師会の役割という4点について検討及び取りまとめを記載した.
 まず,家畜保健衛生業務のあり方について,日本獣医師会は,全国家畜衛生職員会と連携して,家畜保健衛生所の組織のあり方を引き続き検討するとともに,国や都道府県の関係当局等に対して,家畜衛生関係獣医師の社会的地位の向上,関係地方交付税の増額,組織強化のための人員や施設の整備・拡充等の要請が求められることとした.
 次に,高病原性鳥インフルエンザ対策の推進として,平成17年度に茨城で発生した事例を念頭に,的確な情報提供,広い意味での防疫体制の確立,獣医師の協力対応,日頃からの広報等普及・啓蒙,処分方法等について示した.
 続いて,家畜保健衛生部門と公衆衛生部門の連携のあり方として,生産現場での疾病情報やと畜検査結果等の相互活用,衛生部門からの動物用医薬品残留検査成績等のフィードバックシステムの整備,家畜以外の感染症への対応体制構築等を示した.
 さらに家畜衛生対策を推進する上における獣医師会の役割として,対応の方法では,産業動物診療獣医師の確保対策として,現場での管理獣医師及び大学教育による人材育成,さらに,家畜自衛防疫組織の充実強化を示した.
 以上,現場では,地方獣医師会とともに,日本獣医師会と連携しながら,都道府県の関係部署に限定せず,農林水産省,厚生労働省,文部科学省へ働きかけることが重要である旨報告された.

(4)公衆衛生部会公衆衛生委員会報告
 森田部会長から,「獣医公衆衛生領域の現状と課題への対応」検討テーマ,「人と動物の共通感染症対策の地域における取り組み等」サブテーマとして委員会を4回開催し,検討を行った.
 まず,人と動物の共通感染症対策の地域における取り組みとして,都道府県においても感染症対策部門と動物対策部門は一元的に対応すべき旨提言した.さらに動物管理センター等では,獣医師を配置し,地域における共通感染症対策・指導の第一線の中核施設として位置づける必要があるとし,診療獣医師からの検体等の行政検査を担当するが,最終的には地方衛生研究所,動物感染症研究所に診断を依頼する等の体制構築が必要であるとした.なお,行政側の検査機関の情報を広く診療獣医師に周知し,診断・指導できる行政窓口の設置及び地域で感染症対策協議会を設置においては,地方獣医師会が適任者を協議会に参画させる旨言及した.次に共通感染症の診断,届出,防疫システムの整備として,発生時における危機管理体制を自治体と関係機関で整備する必要性を述べ,各自治体でも地方獣医師会等の協力を得等して,危機管理体制を構築する必要があるとした.続いて自治体と診療獣医師の連携,情報の共有として,日本獣医師会がホームページに人と動物の共通感染症の発生動向等を掲載し,感染症情報を閲覧できるシステムの構築が必要であり,また,獣医師の人に感染防止について,行政による研修会,講習会の開催が必要であるとした.さらに獣医師と医師及び自治体との連携として,医師と臨床獣医師とのネットワークの構築の必要性を示し,地方獣医師会が自治体に働きかけにより,厚生労働省の労働由来感染症予防体制整備事業を活用するよう提言した.なお,四類感染症診断動物の対応として,診療獣医師が相談できる窓口の整備及び獣医師が研鑽するための研修等が必要であるとした.
 共通感染症対策と獣医師の役割(研修体制の整備等)ついては,共通感染症の診断できる専門家の養成なための研修の必要性と,日本獣医師会の「特定疾病専門家養成派遣事業」の活用を考慮することとした.
 獣医公衆衛生部門と家畜衛生部門の連携のあり方については,家畜伝染病と共通感染症は区別して取り組むことも困難で,国及び地方において獣医公衆衛生部門と家畜衛生部門の連携すべきとした.
 国民に対する情報提供のあり方については,正しい情報を国民に提供する必要があり,情報を国民に提供する方法として,マスメディアの利用を考慮するが,地域で信頼されている臨床獣医師から正しい情報を飼い主へ提供する.そのために,日本獣医師会は個々の診療獣医師情報提供をして地域住民に対する情報提供の仕組みを構築いただきたい.
 なお,今般の鳥インフルエンザについて,犬,猫についても危惧されたため,日本獣医師会雑誌で犬,猫に関しては共通感染症の心配はない旨情報提供した旨,さらに狂犬病予防対策についても検討し,厚生労働省に対し,各都道府県にアンケート調査を依頼した旨記載し,取りまとめた.
 今後,人と動物の共通感染症対策について,日本獣医師会は何をすべきか,を明示すべきであり,厚生労働省に要望等,日本獣医師会での対応するもの,都道府県への要請等,地方獣医師会で対応するものを整理しながら進めていただきたい.

(5)その他の報告
 産業動物臨床部会近藤部会長から,[1] 現在,横尾委員委員長を中心に中小家畜動物臨床小委員会において,中小家畜臨床の問題点と今後のあり方について,検討いただいており,5月に委員会を開催して,報告を取りまとめることとしており,併せて本委員会での報告書も取りまとめ成案として次回理事会で報告したい.[2] 動物医療医薬品指示書交付の手引きについては,産業動物家畜共済委員会で検討し,医薬品指示書の適正な発行を目的に作成することとし,今回の完成に至った.現在,地方獣医師会を通じて産業動物の開業獣医師あて,都道府県の動物衛生担当主任あて,配布しているところである.本手引きは,産業動物診療獣医師が常日頃活用し,さらに畜産の安全・安心の確保に努めることが,処遇の改善の一助にも繋がると思われ,我々獣医師が社会からの信頼を得ることにより,問題解決につながることと思われ,各位におかれても引き続き会員獣医師へのご指導を依頼したい旨説明された.

2 社団法人日本動物保護管理協会役員推薦の件
 大森専務理事から,社団法人動物保護管理協会の役員改選に際して,同会から本会あて学識経験者理事の推薦が依頼されるが,例年どおり候補者については,三役で協議の上,推薦することとし,その結果を理事会で報告することで了解いただきたい旨説明され,異議なく了承された.

3 平成18年度全国獣医師会会長会議対応の件
 大森専務理事から,明日の全国獣医師会会長会議においては,理事者と会員との連絡,調整,情報交換,意見交換の場であり,理事各におかれても,円滑な運営について意見等の依頼がされた後,本件は了承された.

【連絡事項】
当面の主要会議開催計画の件

 大森専務理事から,3月から6月までの会議の開催日程が示され,了承された.

 

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