- IV 会議概要:
- 【会長挨拶】
冒頭,山根会長から,[1] 職域別部会における各委員会の検討も活発に進められている.[2] 12月6日に開催された獣医師問題議員連盟の総会においては,狂犬病対策についての対応協議がなされた.[3] 平成18年度学会年次大会(さいたま)についても地元埼玉県獣医師会高橋会長の指揮の下,着々と準備が進んでおり,理事各位にも参加登録の広報を依頼したい.[4]
本日の協議内容を含め,理事会における検討・協議事項の内容については,特に地区理事においては,速やかに地元の構成獣医師へも周知いただきたい旨の挨拶があった.
【議長就任・議事録署名人の指名】
続いて,山根会長が議長に就任し,宮地・酒井両理事を議事録署名人に指名して会議は次のとおり行われた.
【報告事項】
1 業務概況等の件
前回理事会以降(平成18年6月21日から平成18年12月10日まで)の業務概況について大森専務理事から報告が行われ,続いて,玉井監事から午前中に行われた中間監査の報告として,定款第47条及び監査規程に基づき平成18年4月1日から12月10日までの業務概況状況及び4月1日から9月30日までの会計処理状況について,会長から提出された資料に基づき監査した結果,理事の業務執行状況については法令,定款に違反することなく適正に推進されており,また,財産の管理及び運用については,会計諸帳簿,証拠書類等に基づき精査,照合を行ったところ,いずれも適正に処理されていることを認める旨報告された.なお,監事から公益法人制度改革を受けて公益認定に向けての環境整備の必要性と今回の国内での狂犬病発症例を受けての日本獣医師会の対応を評価した上で獣医師を狂犬病から守ることの必要性について言及された.
2 要請活動等の件
大森専務理事から,要請活動として,[1] 8月21日,農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長あて,「獣医師法第17条の規定に関する疑義照会及び獣医事監視・取締りの徹底について」(別紙1),[2] 10月16日,厚生労働省健康局長あて,「狂犬病対策の充実・強化について」(本誌第59巻第11号719頁参照),[3]
11月13日,農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長あて「獣医師法第17条等の規定に関する疑義照会及び獣医事監視・取締りの徹底について」(別紙2),各々要請活動を実施した旨報告された.
3 部会の運営状況(7〜11月)の件
大森専務理事から,職域別部会委員会における全体の開催状況が説明された後,部会長である担当理事等から検討経過等について次のとおり報告された.
まず,近藤理事から,[1] 産業動物・家畜共済委員会においては,第4回委員会を開催し,農林水産省担当官から牛白血病対策の現状と仮題について説明いただいた後,動物用医薬品指示書交付の手引き(仮称)の策定について協議し,年内を目途に素案を作成することとし,また,報告書(「産業動物診療獣医師の確保対策について」)(案)については,最終的な協議を行い,再度整理の上,次回理事会へ提出したい.なお,横尾副委員長から,同委員会に設置された中小家畜動物臨床小委員会においては,第1回委員会では,中小家畜動物臨床の現状と仮題について,第2回委員会で今後の方向と具体的な方策について各々協議したが,次回更に検討を進め,報告書を取りまとめることとしている.続いて,細井戸理事から,[2]
小動物委員会においては,大学及び民間の診療施設に二次・夜間診療のアンケート調査を実施し,現状把握に努めていること,また,第1回動物診療補助専門職検討委員会を開催し,補助専門職の現状について意見交換を行ったこと.動物愛護福祉委員会においては,第2回委員会を開催し,改正動物愛護法の施行と日本獣医師会の対応及び災害時動物救護活動地域マニュアル策定のためのガイドラインの作成について協議し,本件については,小委員会の設置による検討が必要とされ,「災害時動物救護活動地域マニュアル策定のためのガイドライン」検討委員会を設置,第1回委員会を開催したこと,野生動物委員会においては,第3回委員会を開催し,外来生物に対する獣医師会の考え方及び特定外来生物の取扱いについて協議し,次回は報告書の取りまとめを行う予定であること,学校飼育動物委員会においては,第3回委員会を開催し,報告書(「学校飼育動物活動の推進に向けて」)及び学校獣医師に対するアンケートの結果について協議し,次回は報告書の最終取りまとめを行う予定であること.次に,戸谷理事から,[3]
家畜衛生委員会においては,第4回委員会を開催し,報告書(「家畜衛生職域における現状と課題に対する対応」)(案)について,農林水産省からの意見を含め,最終的な協議を行い,報告書は字句等を整理の上,次回理事会へ提出したいこと,また,森田理事から,[4]
公衆衛生委員会においては,第4回委員会を開催し,前回協議した狂犬病予防対策の取組み及び犬・猫のインフルエンザ対策についての報告の後,狂犬病予防法施行規則の一部改正における鑑札の簡略化について意見交換を行い,さらに報告書(「公衆衛生領域における現状と課題に対する対応」)(案)について,最終的な協議し,報告書は字句等を整理の上,次回理事会へ提出したいこと,酒井理事の代理として大森専務理事から,[5]
学術・教育・研究委員会においては,第4回委員会を開催し,「獣医学改善に向けての外部評価のあり方」中間とりまとめ(案)について大学等から聴取した意見を踏まえ,再度検討し,次回最終取りまとめを行う予定であること,獣医師専門医制検討委員会においては,第3回委員会を開催し,獣医師専門医機構の設立,メンバー,役割等最終的な協議を行い,報告書は意見を踏まえ整理の上,次回理事会へ提出する予定であること,生涯研修事業運営委員会においては,獣医師生涯研修事業の対応(新たな出口論)及び日本獣医師会雑誌「生涯研修事業のページ」の企画について協議し,今後,出口論については更に検討するとともに,認定証の様式・体裁の改善及び研修プログラム・カリキュラムの見直しを行うこととしたこと,獣医学術奨励賞選考委員会においては,第3回委員会を開催し,功労賞及び学術賞を選考,決定したこと.引き続き大森専務理事から[6] 獣医師福祉共済事業運営委員会においては,第3回委員会を開催し,獣医師賠償共済事業の加入推進と事業内容の充実・整備について協議し,総合的な見直しの中で,診療施設単位での契約及び狂犬病予防注射事業に対する契約等を盛込んだ,新たな事業制度を平成19年4月から発足させることが各々報告された(注:職域別部会の各部会委員会会議概要については,逐次,「日本獣医師会ホームページの会員・構成獣医師専用サイト」に掲載している).
4 平成18年度地区獣医師大会・地区学会の開催状況及び地区大会提出の決議要望事項等の件
大森専務理事から,本年度の地区大会,地区学会の開催状況が報告され,その中で各地区で決議された要望事項については,内容を整理し,地区獣医師会連合会会長会議で対応等について協議したい旨が説明された.
5 平成18年度日本獣医師会学会年次大会(さいたま)及び同年次大会参加「今,狂犬病対策を考えよう─市民参加シンポジウム─」開催の件
大森専務理事から,本年度の学会年次大会については,地元埼玉県獣医師会長の高橋理事に尽力いただくとともに,関東地区獣医師会連合会の協力の下,準備が進められ,現在,参加登録の広報に努めており,理事各位におかれても,関係者への広報を依頼したい.また,犬の登録及び狂犬病定期予防注射推進の普及啓発のため,本大会に併せて狂犬病シンポジウムを開催することとし,新たに外務省,国土交通省の後援,製薬企業各位の協賛も得て,企画を進めている.続いて,高橋理事から,埼玉県獣医師会では,日本獣医師会,県,市町村,関係団体等と連携を密にし,構成獣医師が一丸となって大会準備に尽力しており,皆様の一層の協力をお願いしたい旨が各々報告された.
6 日本獣医師会獣医学術奨励賞(学術賞及び功労賞)選考結果の件
大森専務理事から,11月15日,本選考委員会において,産業動物,小動物,公衆衛生の各分野ごとに本年度の学術賞及び功労賞の選考が行われ,各賞が決定した旨報告された.
7 日本獣医師会獣医師賠償共済事業の件
大森専務理事から,獣医師賠償共済事業について,[1] 最近における動物医療形態の変化に加え,動物医療に対する飼育者の需要の多様化と診療を取巻く環境の変化に鑑み,会員のニーズに即し,[2] 事業加入の推進を通じ,獣医師会組織の結束の強化を図り,[3]
金融・保険事業のへの監督・指導強化に伴う,コンプライアンス確保するため,福祉共済事業運営委員会で本事業の整備・充実について検討し,事業改定として,[1] 診療施設で生じた事故は事故発生当事者を問わず包括的にカバーできる診療施設契約,[2]
狂注事業の円滑な運営確保の一助に資するため,地方獣医師会が行う狂犬病予防注射事業における事故に限定した,狂犬病予防注射事業賠償契約を各々新たに設けた.なお,[2] については,地方獣医師会が加入契約者となるため,保険会社担当者を説明に派遣するとともに,事業改定のパンフレットを作成し,日本獣医師会雑誌第12号,1号に同封する等広報に努めており,各位におかれても加入推進に協力を依頼する旨報告された.
8 塩酸ケタミン製剤の麻薬指定対応の件
大森専務理事から,地方獣医師会あて通知した,「ケタミンの麻薬指定に向けての対応について(9月6日付け18日獣発122号/本誌第59巻第10号645頁参照)」が説明がされ,現時点では,1月の麻薬指定施行時には動物用医薬品としてのケタミンの製造の継続は見込めないことから,人体用の製剤を入手する必要があるが,人体薬の卸売り業者から獣医師へ円滑な供給がなされるかという懸念もあり,先般,厚生労働省では人体用麻薬製剤販売業者の団体へ,獣医療へのケタミン製剤の供給について協力依頼したところである.また,本会から日本獣医師麻酔外科学会へ依頼していた代替措置等については,このたび回答を得たので日本獣医師会会報へ掲載し,紹介したい旨報告された.
9 「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的指針」公表の件
大森専務理事から,このたび公表された指針は,本会が中央環境審議会動物愛護部会で要請した事項がほぼ反映された内容となっている旨報告され,特に各都道府県では平成19年末までに10カ年の推進計画を策定することとなるが,地域での意見の集約及び合意形成の確保のため設置する検討会のメンバーとして獣医師会が明記されたことから,今後,獣医師会が核となり,地域の実情に応じた要請対応を実施されることを依頼する旨説明された.
10 日本獣医師政治連盟の件
(1)平成18年度第2回役員会
(2)獣医師問題議員連盟等に対する要請活動
大森専務理事から,本件について資料に基づき説明がなされた(本誌第59巻第12号800頁及び本誌第60巻第2号110頁参照).
11 そ の 他
[1] 狂犬病予防法施行規則の一部改正における鑑札の簡略化,[2] 狂犬病に対する本会の広報等について質疑があり,大森専務理事から,[1] については,現在,厚生労働省ではパブリックコメントにおいて提出された意見を整理している状況であり,本会としては獣医師問題議員連盟も要請したとおり,鑑札の簡略化が接種率,装着率の減退につながりかねないことを訴えていきたい.[2]
本来は国が対応すべきことであるが,厚生労働省では風評被害を恐れるためか,「人から人には感染しない」という情報提供のみで,国内対策については触れていない状況である.地方獣医師会によってはポスター等を作成,配布しているが,日本獣医師会も,従来どおり正しい知識の普及啓発は必要不可欠との立場から,全国紙に日本獣医師会から狂犬病対策についての意見広告とシンポジウムの開催案内を関係団体・企業の協賛を得て対応することとしたいので,理事会での了承を願いたい旨の説明がなされた.また,藏内副会長から,[1]
については,今般,福岡県では直接担当大臣あてに狂犬病対策に関する意見書を提出することとしているが,他の地方獣医師会においてもそれぞれが行政に働きかけ,多数の自治体から意見書が提出されれば,その影響力は大きな力となる旨説明された.
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