- 2005年の中国における狂犬病による死亡者は約2,500人で,伝染病による死亡者の20%を占め,死亡者数の2位は狂犬病(1位は結核,3位はエイズ)となっている.
2006年に入り,中国各地において,狂犬病の犬の数,犬に呟まれて死亡した人の数が増加している状況にある.これら住民の死亡をきっかけに,各地で,犬の強制処分や強制ワクチン接種が講じられている.
(1)山東省の状況
- 8月7〜13日には16人が狂犬病で死亡.
- 当局は50万頭以上の犬を処分(destruction).
(2)雲南省の状況
- 最近3人が犬に咬まれて狂犬病で死亡.
- 当局は約5万頭の犬を暴力的に処分(violent destruction).
(3)北京市の状況
- 北京だけでも10万頭の野犬,50万頭の野良猫がおり(NGO調べ),狂犬病のリスクが増大している.
- 2006年初めから6万人以上が犬または猫に呟まれた.狂犬病5例発生.
- 効果的な野犬対策,注意喚起等は講じられていない.
- 曝露後免疫の2006年上期累計は69,332件
(4)上海市の状況
- 2006年に4万5千人が犬(ペット犬)に咬まれている.2005年の同時期に比べて40%増加.3人が狂犬病で死亡.
- 住民はワクチン接種をしたがらず,狂犬病は再発の傾向にある.
- 犬に咬まれたら直ぐに暴露後免疫をとの旨の住民啓発キャンペーンを行う予定とのこと.
- 犬・猫はライセンス制としワクチン接種.違反したら200〜1,000元(約3,000〜15,000円)の罰金.
- 中国国内の人における狂犬病死亡者数
- 2004年2,651人
- 2005年2,545人
- 2006年(1〜9月)2,257人
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