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感染症法の改正に際しては,先に,本会から人と動物の共通感染症対策の充実・強化について要請し(本誌第56巻第6号359〜360頁掲載),この趣旨を踏まえた法整備がなされたところであるが,今回,改正感染症法が施行されるに当たり,その実効性を確保するため,厚生労働省に対し,共通感染症対策の整備・充実について【別紙】を内容とする要請活動を行った. 要請には,五十嵐会長,大森専務理事が出向き,厚生労働省からは,加地結核感染症課感染症情報室長及び中嶋課長補佐が対応した. |
【別紙】 |
要 請 書 |
15日獣発第209号 平成15年11月11日 |
厚生労働省健康局長 田中慶司 様 |
社団法人 日本獣医師会 会 長 五十嵐幸男 |
改正感染症法施行に伴う共通感染症対策の整備・充実について |
貴省における感染症法の改正の検討に際しては,先に,本会から別添要請書(本誌第56巻第6号359〜360頁参照)により,人と動物の共通感染症(以下「共通感染症」という.)対策推進に当たっての,[1]診療獣医師の果たすべき役割等の明確化,[2]国,都道府県と診療獣医師及び獣医師会との連携体制並びに研修等人材育成に係る事項の基本方針における明示,[3]危険度評価による輸入動物に対する検疫体制の整備等に関する事項の法整備を要請したところであります. 感染症法においては,本会要請の趣旨を踏まえた法整備がなされたところでありますが,今回,改正感染症法が施行されるに当たり,その実効性を確保するため,下記の事項の実現方につき,特段のご高配を賜りたく要請します. |
1.動物由来感染症予防体制整備事業の拡充・整備等について |
地域における共通感染症対策を診療獣医師及び獣医師会との連携の下で推進する体制の整備を促進するため,全国すべての都道府県において動物由来感染症予防体制整備事業が円滑に推進されるよう事業内容及び予算措置を拡充・整備するとともに都道府県に対する事業推進の一層の指導に当たられたいこと. なお,特に狂犬病については,共通感染症対策の最重要課題の一つに位置づけ,都道府県主導により獣医師会との連携の下で犬の登録と定期予防注射の実施をはじめとする予防対策が一層徹底されるよう都道府県に対する指導の強化を図られたいこと. |
2.都道府県動物管理センターによる共通感染症診断の受入れと発生予防指導体制の整備について |
都道府県動物管理センターを共通感染症の地域における第一線の診断・指導機関として位置づけ,同家畜保健衛生所等の関係機関との連携の下で診療獣医師からの精密検査の受入れや地域住民に対する予防衛生指導が円滑に行えるよう,同動物管理センターに対する獣医師専門職員の配置の促進とともに,検査,診断,指導施設の整備を支援されたいこと. |
3.診療獣医師に対する研修体制の整備について |
共通感染症対策推進における診療獣医師の果たす役割の重要性を踏まえ,都道府県段階における診療獣医師に対する共通感染症技術研修の実施等の人材育成体制の整備を促進されたいこと. |
健発第1105002号 平成15年11月5日 |
社団法人 日本獣医師会会長 殿 |
厚生労働省健康局長 |
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 及び検疫法の一部を改正する法律等の施行について |
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律(平成15年法律第145号)等の施行にあたり,別添(写)のとおり,各都道府県知事・政令市市長・特別区の長あて通知致しました. つきましては,内容を御了知いただくとともに,貴会会員への周知等,特段のご協力をお願い致します. |
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健発第1105002号 平成15年11月5日 |
都道府県知事 各 政令市市長 殿 (特別区区長) |
厚生労働省健康局長 |
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 及び検疫法の一部を改正する法律等の施行について(施行通知) |
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律(平成15年法律第145号.以下「改正法」という.)が平成15年10月16日に公布され,一部の事項を除き,同年11月5日から施行される. また,改正法の施行等のため,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成15年政令第459号.以下「整備等政令」という.)が同年10月22日に,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する省令(平成15年厚生労働省令第167号.以下「整備等省令」という.),感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第五十四条第一号の輸入禁止地域等を定める省令の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令・農林水産省令第6号.以下「改正輸入禁止地域省令」という.)及び重症急性呼吸器症候群を感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第六条第六項の指定感染症として定める等の政令の施行に伴う感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第五十四条第一号の輸入禁止地域等を定める省令の準用に関する省令を廃止する省令(平成15年厚生労働省令・農林水産省令第7号)が同月30日に公布され,それぞれ同年11月5日に施行される. これらの改正の趣旨及び内容は,下記のとおりであるので,内容を十分御了知の上,関係機関等への周知を図るとともに,その実施に遺漏なきを期されたい. なお,この通知においては,改正法による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法をそれぞれ「感染症法」及び「検疫法」と,整備等政令による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令及び検疫法施行令をそれぞれ「感染症法施行令」及び「検疫法施行令」と,整備等省令による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則及び検疫法施行規則をそれぞれ「感染症法施行規則」及び「検疫法施行規則」と,改正輸入禁止地域省令による改正後の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第五十四条第一号の輸入禁止地域等を定める省令を「輸入禁止地域省令」と略称する. |
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