(1) |
卒後臨床研修の対象は,本来であれば希望者全員を対象とすべきであるが,現状は受け入れられる員数に限界があり,当面は可能なかぎり収容可能な枠内の選抜された希望者の研修を受け入れること. |
(2) |
卒後臨床研修の内容は,将来的にはかなり高度な《1》研修の到達目標,《2》研修プログラム,《3》研修カリキュラム等を提示する必要があるが,早期実現を可能とするために教育現場の実情を踏まえ,「内科」,「外科」等いずれの大学にも設定されている主要診療科のローテイション方式による研修内容とするとともに,それらを十分に身につけさせるため,必ず複数の指導獣医師を交えての症例デイスカッションを実施することをミニマムリクイアメントとした研修基本方式とすること. |
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卒後臨床研修の実施機関としては,大学附属家畜病院等で実施することがすでに獣医師法関連で明記されているが,現状では大学の研修受け入れ可能な収容員数は多くても全国で年間100名程度と予測されることから,研修希望者がこれを上回る場合には,大学同等の研修条件と機能を備える民間診療施設を指定する必要があること.
なお,農林水産省が民間診療施設を指定する際の指定基準については,前項の大学での研修内容のミニマムリクイアメントが十分に満たされるよう,指定基準を見直す必要があること. |
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卒後臨床研修の実施期間は,獣医師法では努力規定による6カ月以上とされているが,社会の要請に見合った十分な研修を実施し,定着させるためには研修期間を2年とすることが望ましいものの,最低限1年以上の研修が必要であること. |
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卒後臨床研修の成果は「信頼される獣医師の育成」にあり,研修の評価は「研修修了獣医師の高い雇用率」にあることから,研修の適切な評価を受けた人材を確保する観点から,研修獣医師の処遇は有給であることが望ましく,大学・関係機関等においては,研修受け入れ施設のそれぞれの環境,情況等もあるものの,適正な労働条件とともに応分の処遇をもって研修獣医師を受け入れること. |