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ヤンバルクイナをはじめとする野生動物の危機的な状況を広く社会に伝えること.
パネル展や講演会,シンポジウムの開催やホームページや新聞,テレビ,ラジオを通じて現状を伝える. |
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ヤンバル地域に新たに野生化する猫を発生させない対策を講じること.
ヤンバルクイナが生息する国頭村などでは集落内の飼い猫が直接ヤンバルクイナを捕食し,無秩序な繁殖により野生化する猫が増加する恐れがあるため,公民館を利用して不妊・去勢手術を実施し,飼い主責任を明確にするマイクロチップの埋め込み処置を行っている.また,行楽シーズンにはヤンバル地域での捨て猫や捨て犬が増えるため,『捨て猫・捨て犬防止パトロール』を行い,遺棄されるペット動物を未然に防ぐ活動を展開している.
昨年度は沖縄県が那覇市で,北部地域では名護警察署による取締りと環境省,国頭村,大宜味村,東村が合同で『“ペット動物を捨てないで”キャンペーン』を実施し,例年に比べ捨てられた犬・猫が減少したという効果が得られた. |
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ペット動物の適正飼育を普及すること
ホームページやパネル展,講演会,マスコミを通じて,ペット動物の適正飼育が飼い主の義務であることや動物の健康を守ること,さらに,適正飼育が野生動物を守ることにつながることをアピールしていく. |
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ペット動物の適正飼育を制度化すること
ペット動物のマイクロチップによる登録を義務付け,飼い主責任を明確にできる県や市町村による『ペット動物の飼育条例』づくりを働きかける.国頭村安田区では2002年5月,マイクロチップによる登録を義務付けた『安田区ネコ飼養に関する規則』が施行され,区内で飼育されている猫はすべてマイクロチップの埋め込み処置ならびに不妊・去勢手術を完了している. |
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ヤンバルクイナの保護対策を提言すること
移入種による捕食を完全に除去しないかぎり,ヤンバルクイナの種の存続が危うい現状では,早急に保護増殖に着手しなければならない.そのために,専門の獣医師を配置したヤンバルクイナの保護増殖センターの設置を各方面に働きかけている. |