2001年,わが国は,アジアで最初の牛海綿状脳症(以下「BSE」と略す.)の発生国となり,家畜防疫対策と食品(食肉)の安全性の確保が求められている.
BSEの国内発生により,牛肉の安全性が根底から問われており,この失われた消費者の信頼をいかにして回復するかがわれわれの使命でもある.
2001年10月18日から,と畜検査に,世界に類のない制度である『BSE全頭検査』が導入され,国内2例目,3例目の陽性牛が摘発された.これが,まさに『BSE全頭検査』の成果である.
「食肉の安全を守る最後の砦」である食肉衛生検査の立場から,全国食肉衛生検査所協議会(以下「全食検協」という.)を代表し,『BSE全頭検査』導入の意義と今後の問題点等について取り組みの概要を記述し,BSE問題解決の一助にしたい. |
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