(参考)
我が国においては,狂犬病予防法に基づく犬に対するワクチン接種等の国内対策及び輸出入検疫の実施により,昭和31年以降本病の発生はない.しかしながら,世界的には,依然として多くの国で猫,その他野生動物における狂犬病の発生事例が報告されており,また,輸送手段の発展に伴う動物の国際的な移動の増加等により我が国に狂犬病が侵入する危険性も増大してきている. こうした状況に対処し,海外からの狂犬病侵入防止対策の一層の強化を図ることが必要となってきたことから,検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律,及び検疫法施行令及び狂犬病予防法施行令の一部を改正する政令の施行に伴い,狂犬病予防法の対象動物として,猫,あらいぐま,きつね及びスカンク(以下「猫等」という.)が追加された. これに伴い,犬の輸出入検疫規則についても,猫等の輸出入検疫に対応するため,以下のように改正する. 2.主な改正内容(1) 対象となる動物に,猫等を追加 以下の規定について,その対象となる動物に猫等を追加した.
猫等は実験動物及びペット等として商業的に輸入されるものが多く,同時に多頭数の輸入が予想されることから,到着時の検査及び検疫施設の確保など円滑な輸入検疫の実施が困難となることが懸念されている. このため,輸入の70日前から40日前にその旨を動物検疫所に届け出ることとした. (3) 輸出国において輸出前6ケ月間隔離されていたものについては,係留期間を30日間とすることについて(第4条第1項関係) あらいぐま,きつね及びスカンクに対する狂犬病ワクチンについては,その効果に不明な点があること,国際的な評価がなされていないこと等から,その接種を有効な防疫措置としては認めないこととした. このため,狂犬病の予防注射によらない係留期間の短縮措置として,狂犬病汚染国から輸入される場合,輸出国において輸出前6ケ月間(狂犬病の最大潜伏期間)以上,狂犬病の発生がない施設で隔離されていたことが輸出国政府機関により証明された犬等については,係留期間を30日間とした. (4) 輸出検査について(第4条第1項関係) 現行規則制定時には,国内に狂犬病の発生が認められたため,輸出国としての国際的責任を果たす必要から,犬を輸出する際の条件として,有効な狂犬病の予防注射を受けていることとして,予防注射の接種状況に応じて180日までの係留期間が定められていた. しかしながら,昭和31年以降,国内において狂犬病の発生がないことから,輸出の際の係留期間については12時間以内とした. |
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