伝播様式 豚における感染実験はオーストラリアの連邦科学産業研究機構のAAHL(家畜衛生研究所)で行われた. (1)豚での経口感染実験 ・臨床症状が発現するまでの潜伏期は14〜16日間 ・症状および剖検では軽度 ・ウイルス分離は継続中 (2)非経口的感染実験 ・ウイルス接種された2頭の豚は重度の症状を示し,1頭は中枢神経系の異常,もう1頭は呼吸器系の異常を示した.攻撃試験から7〜10日以内に症状が発現. (3)接触感染実験 ・暴露おそらく接触試験時にただちに起こる.中和抗体は14日目に検出されたが症状は示さなかった. ・扁桃と気管上皮においてウイルスが増殖し,気道内に汚染細胞片があることからして,このウイルスは少なくとも咽頭および気管支分泌物により伝播されるということが示唆される. 他の結果については現在調査中. 診 断 (1)ウイルス分離 ウイルス試験のために肺,肝,腎,脾,心,脳の組織標本が剖検した動物から集められた.組織標本はジョージア州アトランタのCDCに送付された. 分離ウイルスによる分子生物学的検査の結果,ヘンドラウイルスと核酸配列で21%,アミノ酸配列で11%異なっていた. (2)血清学的試験 Iphoの獣医研究所およびマレーシア大学(医微生物学部)でそれぞれ動物と人の血清学的検査が実施された. 検体は上記の研究所でIgGおよびIgMキャプチャELISA試験により行われ,豪州GeelongのAAHL(家畜衛生研究所)では不活化血清の中和試験により検査された. |