II 卒後臨床研修に関する調査結果

  わが国の臨床獣医師の育成を目指して,獣医師免許取得直後の獣医師に対するローティション方式による全般的な臨床研修と,その後に行う特定診療科目に関する専門的研修等,卒後臨床研修のあり方をどのように考えているかについて調査した.以上の結果を要約して卒後臨床研修の概要を次のようにまとめた.

 「卒後臨床研修への参加希望」については,調査対象6,963件の内で,回答のあった獣医師3,181件の意向は「希望した」が2,849件(89%),「希望しなかった」が245件(8%)であった(図6).このことから参加を希望する獣医師は著しく多く,卒後臨床研修体制の確立が望まれていることがうかがえた.

図6 卒業時の卒後臨床研修の参加希望(回答数:3,181件)

 「卒後臨床研修へ参加する獣医師への経済的な援助」については,調査対象6,963件の内で,回答のあった獣医師3,181件の考えている報酬月額は,「15万円位」が1,407件(44%),「10万円位」が897件(28%)であった(図7).

図7 研修獣医師の有給の額(回答数:3,181件)