【獣医師生涯教育の三本柱】
(1)卒後臨床研修(いわゆるインターン制):わが国の臨床獣医師の育成を目指して,獣医師免許取得直後の獣医師に対する臨床研修(訓練)をいう.
(2)継続教育(ポイント制):現職にある臨床獣医師が社会の要請に応え,適切な獣医療の提供を続けていくために,生涯にわたって自らの知識・技術を常に研鑽し,専門知識・技術を高水準に保つための教育(学会・研修会・セミナー等の参加実績)をいう.
(3)専門医養成教育(いわゆるレジデント制):獣医診療の高度化に不可欠な専門医(スペシャリスト)の養成をいう.
【アンケート調査の方法と回収状況】
(1)調査の方法:平成10年6月15日,全国の小動物診療獣医師6,978名全員に,アンケート用紙(無記名)を送付して調査を実施した.
(2)回収状況:送付した6,963件の内,アンケート回答期限の平成10年7月末日までに返送されたものは,3,181件(回収率45.7%)であった.
I 調査対象獣医師に関する調査結果
今後,わが国に導入すべき獣医師生涯教育のあり方等について,診療に従事する関係獣医師の意向を調査するに当たり,回答者層の状況等を把握して集計結果の分析の資料とするために,調査対象獣医師の年齢,職務等について調査した.これらの結果を要約して次のようにまとめた.
調査した獣医師6,963件の内で,回答のあった3,181件の「年齢構成」は,回答の多い順に30歳〜40歳未満が1,076件(34%),40歳〜50歳未満が1,046件(33%),60歳以上が470件(15%)であった(図1).このことからすると,回答のあった年齢層は30歳〜40歳未満および40歳〜50歳未満の者が大部分を占めていて,調査結果にはこの層の獣医師の意見が強く反映されているものと思われる.
図1 回答者の年齢(回答数:3,181件)
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