V 結論と提言獣医師から得られた回答は3,181件(回答率は45.7%)あり,卒後研修(生涯教育)について関心の深いことがうかがえた. 1.調査結果のまとめ (1)回答者の状況 調査の対象とした,獣医師会に所属する臨床獣医師の総数は6,978名(病院長5,683名,勤務医1,295名)である.その内の回収総数は3,181名で,その回収率は病院長では88.7%,勤務医では9.7%と,病院長からの回収率が著しく高い. この結果,回答者の構成では病院長が89%,勤務医が10%と,本調査の結果は病院長としての意見が強く反映されているものである.また年齢構成では,調査対象ならびに回答者のいずれにおいてもその年齢構成に差は認められないが,30〜50歳齢の回収率が他と比較して高い傾向にあり,この年齢層が回答者の67%を占めている. また,回答者の87%は男性で,小動物診療に従事している年数は10〜30年が56%,4年制の獣医学教育履修者が56%(6年制37%),勤務医を2〜3年以上経験している者が63%,卒後研修(海外)を受けたことのない者が87%,病院の獣医師は1〜2名(1名54%,2名25%)が79%,獣医師以外の従業員数は1〜3名(1名30%,2〜3名37%)が67%,来院件数1日平均10〜15件(10件以下32%,15件29%)が61%,夜間・休日・救急診療を行っている病院が71%である. すなわち,本調査の回答は年齢30〜50歳齢,男性で,4年制教育を修了し,勤務医を2年以上経験し,海外での卒後研修の経験がなく,獣医師が1〜2名,従業員数は1〜3名,1日平均の来院件数が10〜15件前後,夜間・休日・救急診療を行っていて,診療年数が10〜30年の病院長の意見が強く反映されているものと考えられる. |