【行政・獣医事】
感染症新法ならびに検疫法および狂犬病予防法の一部を改正する法律の施行について
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に対する法律」(いわゆる「感染症新法」)と「検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律」は,昨年成立,公布され,本年4月1日の施行に向けて関係政省令が公布されたところである.
このたび,これらの法令の制定にともない,関係施策を円滑に実施するための体制の整備について,厚生省生活衛生局乳肉衛生課長から本会杉山会長あて依頼があったので,以下に紹介する.
謹啓 時下益々ご清祥のことと存じます.
平素より感染症予防行政の推進のためにひとかたならぬ御協力を賜りありがとうございます.
さて,昨年10月2日に公布された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号.以下「感染症新法」という.)及び「検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律」(平成10年法律第115号)につきましては,一部の規定を除き本年4月1日の施行に向けて,昨年末から関係政省令の公布等を行ってきたところであり,また各地方自治体及び貴会をはじめとする関係団体におかれましても広範多岐にわたる準備作業にそれぞれ御尽力いただいていることに敬意と謝意を表します.
ご案内のとおり,新しい時代の感染症対策を担う感染症新法の重要施策として,エボラ出血熱及びマールブルグ病を人に感染させるおそれの高い動物であるサルは,すべての獣医師による届出を義務付けたところであり,輸入する際は安全性が確保される地域等を確認した上で,動物検疫を行うこととしたところであります.また,狂犬病予防対策を担う狂犬病予防法(平成25年法律第247号)の重要施策として,発生時のまん延防止措置及び輸出入における動物検疫の対象動物を,従来からの犬に加えて猫,あらいぐま,きつね及びスカンクとしたところであります.
これらの施策を円滑に実施していくとともに,動物由来感染症に関する情報の収集及び国民への還元等の体制を整備するためには,貴会はもちろんのこと,管下関係各位の御協力が必要不可欠でありますことから,その趣旨及び意義を御賢察のうえ積極的に参加されますよう重ねて周知徹底方よろしくお取り計らい願います.また,普及・啓発等その他の施策の実施につきましても,各地方自治体から要請が行われた場合には,格別のご理解と御協力がいただけますよう関係者への周知方併せてお願いいたします.
末筆ながら,貴会の今後ますますのご隆盛を心より祈念申し上げます.
敬 具
平成11年3月25日
厚生省生活衛生局乳肉衛生課長
森田邦雄
社団法人 日本獣医師会会長
杉山文男殿 |