菊 池 洋
豊橋技術科学大学 エコロジー工学系 生物基礎工学
(〒441-8580 愛知県豊橋市天伯町雲雀ケ丘1-1)
Current RNA World: New Gene Therapy and New View of Life
Yo KIKUCHI
Division of Bioscience and Biotechnology, Department of Ecological Engineering, Toyohashi University
of Technology, 1-1 Hibarigaoka, Tempaku-cho, Toyohashi-city 441-8580, Japan
分子生物学的生命像 「生きているとはどういうことか?」この質問は,あまりにも奥が深くかつ広く,ひと言で答えられそうもないように見える.しかし,分子生物学の立場に立てば,簡単な答えを与えてくれる.分子生物学では遺伝子DNAからそのコピーであるRNAができ,その情報に従って蛋白質ができることが生きていることの基本であると教えている.これは分子生物学のセントラルドグマ(中心教義)である(図1).「教義」などと,まるで宗教のようだが,何年にもわたりこの教義は科学的に試され,確かめられ,現在では確固たるものとなっている.多くの遺伝子が調和を保ち,適宜うまく発現されていることにより,生物は快適に時を過ごしていると思われる.
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