本病は原虫の感染により、鶉鶏類・鳥類の盲腸および肝臓に病変が形成される疾病であり、別名「黒頭病」とも呼ばれ、特に七面鳥での被害が大きいといわれています。 |
原虫を含有した鶏盲腸虫卵の取り込みにより、鶏盲腸虫の子虫が宿主である鳥の盲腸粘膜に侵入します。この結果、子虫内に含まれていた原虫が盲腸に感染して増殖し、ジフテリー様病変を形成します。増殖した原虫は門脈を介して肝臓に移行し、肝臓に病変をつくります。盲腸虫の媒介にはシマミミズが関与しています、すなわち子虫を含んだ卵を取り込んだミミズの体内で子虫は孵化し、生息するため、越冬や長期間存続が可能であるといわれています。 |
鶉鶏類の本病に対する感受性は日齢には関係ありません。鳥が病原原虫に感染すると、まず盲腸に、ついで肝臓に病変が形成され、7〜8日目までに症状を発現します。初期の症状は多量の水様性下痢で黄白色ないし黄緑色便を排泄します。鳥は歩行の異常、元気や食欲の減退などを示し、肛門周囲の羽は黄白色排泄物で汚れます。また、通常の盲腸便はみられなくなります。9〜10日目には肝臓の病変が進行し、頭部や翼を下垂して仮眠状態となります。また、貧血、衰弱がみられ、死亡は、通常二次感染を伴って17日目前後がピークとなります。盲腸病変が進行して腸管壁に穴があくと、腹膜炎を併発して死亡します。 |
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本原虫は鶏盲腸虫によって媒介されるため、鶏盲腸虫の駆除や、鶏舎へのミミズの侵入防止等の衛生管理が必要です。また、七面鳥を鶏と同一場所で飼育しないことも重要といわれています。 |
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