本症は主として幼齢ひなに真菌、すなわちカビが感染して起こる疾病で、開口呼吸および呼吸困難がみられますが、異常呼吸音はほとんど聞くことはありません。 |
本症はカビに汚染した飼料の給餌やオガクズ敷料などを使用した場合に発生する傾向があります。平飼いでひなが活発に動き、跳ね回ると増殖した胞子が飛散し、気道を介して、肺や気嚢に感染します。また、種卵の卵殻に本菌が付着して、卵殻を介して卵内に侵入すると胚は死亡し、死ごもり卵となります。しかし孵化するひなもありますが、孵化後まもなく発症します。また、外傷などによる傷口からの感染も起こり、皮膚炎や眼結膜炎を起こすことがあります。 |
開口呼吸、呼吸困難などがみられますが、異常呼吸音を発することは極めてまれです。元気消失、食欲減退、羽毛逆立、削痩、衰弱、沈うつ、白色下痢便、居眠り状態となり、死亡します。脳炎により脳が冒されると斜頸、起立不能、振戦などがみられ、食道が冒されると嚥下障害がみられます。眼結膜、鼻粘膜が冒されると流涙、鼻汁漏出がみられます。 |
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平飼い飼育で、敷料としてもみがら、オガクズ、チップなどを使用する時は、これら敷料を十分に乾燥させます。高温、多湿で飼育する幼雛舎はオールアウト後、徹底した消毒を行います。
本菌は呼吸器や傷口から鶏体内に侵入するので、飼育環境をよくし、ストレスなどによる鶏の抵抗力や菌に対する防御機能の低下や喧騒・闘争による創傷などが起こらないような配慮が必要です。
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