本症の最も典型的な病型は浮腫性皮膚炎であり、翼下、胸部、腹部皮下などに広範なび漫性浮腫および滲出液の漏出がみられます。発症鶏は下痢および沈うつ状態となり、死亡することが多いようです。その他、関節炎、骨髄炎、内臓型にみられる敗血症、趾底炎、臍帯炎、胸部水疱などの病態もみられ、群単位の発生が特徴です。 |
原因菌は自然界に広く分布しており、鶏の皮膚、粘膜、気道などから体内に侵入しますが、鶏の体内で増殖、発病させるための誘因があると考えられています。なお、本症は、鶏群間および鶏舎間への伝播はみられません。また、採卵鶏の発生は一年中みられ、特に、梅雨期や寒冷期に、また、中・大雛に多くみられる傾向があります。 |
沈うつおよび下痢がみられます。その他、翼下部皮下や皮膚がただれたびらん部からビール色あるいは帯赤色漿液性滲出液の漏出などもみられ、特有の異臭があります。発症するとほとんどが死亡し、まれに肉冠・肉垂あるいは下顎部の腫脹を示すことがあり、これを「浮腫性皮膚炎」または「バタリー病」とも呼び、40〜60日齢のバタリーケージ飼育ひなに多く認められます。また、ブロイラーに多く発生する「化膿性骨髄炎」または「骨脆弱症」あるいは「へたり病」などとも呼ばれる疾病があり、跛行あるいは歩行を嫌い、関節炎により関節の腫脹、脚弱、歩行困難、へたり込み、起立不能、羽毛逆立、沈うつなどを呈し、数日のうちに死亡します。また、趾瘤症、趾底炎によりゆびを床面に着けることを嫌がり、ゆびや足の裏は腫れ、沈うつ、食欲廃絶、下痢などを呈し、1〜2日で死亡します。肉冠・肉垂は赤味を失い青黒くなり、時として貧血を起こします。幼雛での発生では臍帯炎により臍じまりが悪く、虚弱となり、高い死亡率となります。化膿性脊椎炎により脚弱、脚麻痺、犬座姿勢、ゆびあるいは爪は赤味を失い青黒くなり脱落、胸骨炎による胸部水疱または胸ダコなどの症状がみられることもあります。 |
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鶏が発症するには誘発要因があると考えられていますので、換気、温度、湿度などの鶏舎内環境に配慮し、蜜飼い、ストレスなどによる鶏の喧騒・闘争などが起こらないように飼育状況を改善して、免疫を抑制する疾病を予防します。また、ビタミン、ミネラルなどの栄養が不足しなように配慮することも重要です。 |
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