本症には多様な病型がありますが、最も多発し、かつ被害の大きな病型は敗血症、すなわち大腸菌性敗血症です。発症鶏は沈うつとなり、下痢便を排泄し、死亡します。発生はブロイラーに多く、呼吸器症状を伴う傾向があります。 |
発症、すなわち敗血症になるには鶏の体調、抵抗力、菌に対する防御機能の低下などが原因とされています。特に呼吸器病発生に伴って本症の発生が多いことは、呼吸器粘膜上皮の障害が本菌の侵入を容易にして、敗血症を起こしやすくすると考えられています。また、受精卵が糞便などに汚染されると原因菌が卵殻から卵内に侵入、すなわち介卵感染が起こり、死ごもり卵の増加や孵化後にひなが発症することが多くなります。 |
発症鶏は肉冠・肉垂が赤味を失い青黒くなり、羽毛を逆立て、沈うつ、居眠り状態となり、乳白色または緑色の下痢便を排泄し、死亡します。異常呼吸音などの呼吸器症状もみられ、ひなでは下痢による尻汚れもみられます。
孵化場では死ごもり卵の増加および孵化率の低下がみられ、ひなは活力に乏しく、臍帯炎により臍じまりの悪いものが目立ちます。敗血症例の終息時期には、眼球は白濁し、全眼球炎による失明がみられます。発症は眼瞼の腫脹および流涙にはじまり、跛行や歩行困難を呈し、関節の腫脹がみられます。このような症例は、敗血症例の慢性経過例に散発するといわれています。
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本症は呼吸器症状に伴って発生することが多いようです。なお、これら呼吸器病は細菌やウイルスなどの感染により起こります。なお、ブロイラーでは原因の明らかでない呼吸器症状もあります。ワクチン接種の徹底および換気などに配慮して呼吸器病の予防に努めます。また、体調・抵抗力・免疫機能の低下が起こらないように、飼育管理、例えば換気、温度、湿度、飼育密度、栄養・ビタミン・ミネラルの不足などの改善に配慮が必要です。また、免疫抑制を起こす疾病の予防に徹することも重要です。 |
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