本症は、主に2〜12週齢の平飼い鶏に発生する細菌性疾病です。突然の発生、急死、高致死率、小腸粘膜の壊死などが特徴的です。 |
本症は鶏糞、養鶏場の土壌、埃、飼料、敷料などに存在している原因菌の経口感染によって起こります。本症が発生するには感染以外に各種の要因が関与しているものと考えられています。例えば飼料の変化による腸内容の変動、腸運動の抑制、サルモネラ、コクシジウム、回虫などの病原体や毒素によって起こる腸粘膜の障害などから、腸内に存在する原因菌の増殖が促進され、それが産生する毒素によって発症するといわれています。 |
初期は、元気不良、食欲不振、運動を嫌い、貧血、羽毛の逆立てなどがみられます。症状は急激に進行し、数時間のうちに急死する症例が多くみられ、茶褐色ないし黒褐色の血液を混じたタール様下痢便を排泄します。下痢便中には腸粘膜脱落片が混入しています。慢性例では、死亡することなく耐過します。 |
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汚染された飼料や敷料が感染源と推定される症例も報告されていますので、一度壊死性腸炎が発生した鶏舎では、オールアウト後に水洗し、消毒を十分に実施します。消毒薬には、本菌芽胞に有効なものを使用します。本症発生の誘因と考えられる他の腸管感染症の原因、例えばサルモネラ、コクシジウム、などにも注意が必要です。飼料の急激な変更は避けます。また、腸粘膜に対して損傷を与える飼料は給与してはいけません。飲水は清浄なものを与えるようにします。 |
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