鶏ウイルス性腱鞘炎/関節炎
概要
 本症は腓腹腱の腱鞘炎と続発する関節炎とからなる疾病で、主にブロイラーに発症し、跛行および起立不能がみられます。また、腓腹腱の出血、断裂などがみられることもあります。
主な原因
 本症は、腱鞘炎を起こす高病原性のウイルス感染親鳥から受け継ぐ抗体、すなわち移行抗体を持たないひなが感染した場合にみられます。これにより足関節、特に腓腹腱の腱鞘およびその周囲に慢性の炎症が発生し腱の断裂が起こるといわれています。
主な症状
 罹患したブロイラーでは跛行、起立不能、発育の不良・不揃い、足関節の腫大・出血などがみられます。
主な予防法
 鶏舎、使用器具、器材の水洗および消毒を徹底し、ウイルスの汚染をできるだけ少なくすることが予防上大切です。種鶏には不活化ワクチンを接種し、その種鶏由来のひなに移行抗体を与えることによって感染を防御します。しかし、このワクチンウイルスの血清型と異なる血清型の病原ウイルスに対しては効果はありません。