あひるウイルス性腸炎(届出・海外)
概要
  本症はあひる、カモ、ガチョウおよびコハクチョウが感染する急性の伝染病で、アヒルペスト(duck plague)ともいわれ、感染鳥により汚染された湖沼が感染源になっています。致死率は5〜100%で、届出伝染病および海外伝染病に指定されています。
主な原因
 感染は直接もしくは環境の水を介して摂餌、飲水、水浴の際に感染鳥から伝播します。また、吸血昆虫による伝播の可能性も示唆されています。
主な症状
 発症したあひるは元気消失、食欲不振、のどの渇きを訴え、涎を出し、眼は半ば閉じ、眩しそうにし、眼の周囲は湿潤となり、鼻汁を漏出します。さらに翼を外側に垂れ、頭を下げ、水様性下痢あるいは出血性下痢を起こし、立てなくなります。発症したあひるを強制的に動かすと頭部、頸部および胴体に振えが認められ、産卵中の群では産卵低下もみられます。その他、死亡した雄の成鳥では陰茎が伸張して露出するのが特徴的です。
主な予防法
 予防は、野生水きん類および由来不明のあひるとの同居を避けることが重要です。