本症は伝播速度が速い伝染病で、異常呼吸音を伴った呼吸器症状、産卵障害、すなわち産卵低下、卵殻の異状、無産卵および下痢が主な症状で、届出伝染病に指定されています。 |
本症は伝染力が強く、国内の養鶏場に広く分布しており、ウイルスに汚染された飼育器材や外来者による接触伝播と空気伝播が多いといわれています。野外の鶏群はさまざまな血清型のウイルス感染がみられるため、ワクチンウイルスと異なる血清型のウイルスの感染があった場合には、ワクチン接種群での発生もしばしばみられます。 |
本症は、潜伏期が特に短く1〜7日(平均3日)であり、全群に広がるのが早い伝染病です。主要な症状はキャッとかゴロゴロといった異常音を伴った呼吸器症状と、激しい下痢が認められます。産卵鶏では呼吸器症状とほぼ同時に急激に産卵が低下し、感染前の1/2以下になることもあります。産卵の回復は発症3〜4週間後にみられますが、この時期には奇形卵、軟卵、卵内容の劣化などの異常卵がみられます。また、3週齢以内のひなが本症に冒されると、卵管が正常に発育しないために無産卵鶏が多発することがあります。若齢での感染では頸を伸ばして開口呼吸、プチプチという異常呼吸音、鼻汁の漏出などの症状がみられます。この他に腎炎型では下痢が目立ち、呼吸器症状は軽症ですが、ときにかなり高い死亡率がみられることもあります。なお、この型は肉用鶏に多くみられます。 |
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本症には数多くの生ワクチンと不活化ワクチンが応用されていますが、野外で流行しているウイルスとワクチンウイルスとの血清型の違いなどから予防効果は完全ではありません。衛生的な飼養管理と適切なワクチンの選択が最善の予防法です。 |
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