本症は、鶏の皮膚や粘膜に特徴のある発痘や痴皮ができる急性伝染病です。粘膜型では開口呼吸がみられ、窒息死する場合もあります。皮膚型では顔面腫脹、鼻汁漏出、さらに結膜炎、流涙、ときに失明がみられ、届出伝染病に指定されています。 |
本症には蚊やヌカカなどによる機械的伝播と、傷口などからの接触伝播があります。皮膚型は夏から秋に、粘膜型は冬に多発する傾向がみられます。 |
皮膚型にみられる発痘の好発部位は肉冠、肉垂、眼瞼、口角、脚などです。顔面の症状としては結膜炎、流涙、失明、顔面腫脹、鼻汁漏出などがみられます。粘膜型では喉頭や気管の粘膜に湿潤な隆起ができ、その後チーズ様の偽膜を形成し、開口呼吸をするようになります。この偽膜によって喉頭部がふさがれると窒息死する場合もあります。その後、この偽膜は脱落して快復します。発病の初期には強い緑便がみられます。産卵鶏では長期間の産卵不振が続くこともあります。 |
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本症の防除対策には弱毒生ウイルスワクチンが有効です。投与法は翼膜穿刺が基本ですが、初生ひなでは孵化場でマレック病ワクチンの接種時に同時に皮下接種されます。その他の予防対策としては蚊、ハジラミ、ダニなどの吸血昆虫の駆除、野鳥の侵入防止などがあります。また、皮膚や粘膜の傷にウイルスが付着すれば感染するので、消毒の励行も本症の伝播防止に有効です。 |
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