本症は、ダニの寄生によって起こる激しいかゆみ、脱毛、かさぶたの形成などを主徴とする皮膚炎です。 |
豚に疥癬を起こすダニとして、ヒゼンダニとブタニキビダニの2種類が知られています。伝播は寄生豚との接触によって起こり、掻き落とされたかさぶた内のダニは数週間生存し、感染源となります。 |
産卵のためにダニが豚の皮下に穴をあけて入り込むときの直接的な刺激や、ダニの分泌物により、寄生部位に烈しいかゆみとともに炎症や腫脹が起こります。成豚では寄生してもほとんど症状を示しませんが、若齢豚では目の周囲、鼻、耳孔内、尾根部、四肢などの皮膚に紅斑、丘疹および水疱が出現します。豚はかゆみのために体を柵などに繰り返しこすりつけるようになります。そのため、体表に傷ができ、細菌の二次感染を招き膿疱や体液の滲出、脱毛、かさぶたなどが認められます。皮膚病変は耳の周囲、頸背部、四肢、下腹部、尾の周囲などに多くみられます。 |
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ダニの駆除が第一で、本症が発生すれば殺虫剤を利用します。発生した豚舎の敷わらなどは焼却し、徹底した殺虫処理が必要です。 |
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