本症は、通常は1〜2ヵ月齢の子豚が飼養環境、飼料の急変、長距離輸送などのストレスによって発症し、髄膜炎、多発性漿膜炎、関節炎などを主徴とする細菌病で、グレーサー病とも呼ばれています。 |
ヘモフィルス・パラスイスの感染によって起こりますが、この菌は健康な豚の鼻腔内に存在していることが多く、子豚の抵抗力が弱まった時に感染する典型的な日和見感染症です。5〜8週齢の子豚に発生しやすく、特にSPF豚を一般の農場に導入した場合は、どの日齢でも発症する可能性があり、高い死亡率の症例が知られています。 |
感染後の菌の増殖部位により症状が異なりますが、多発性漿膜炎では呼吸器症状、髄膜炎では後躯麻痺、起立不能、遊泳運動などの神経症状、関節炎では関節部の腫脹や跛行などが特徴で、共通の症状として発熱、食欲減退、嘔吐などを示し、急性経過で死亡します。 |
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輸送、飼養密度、飼育温度の急変などによるストレスの軽減を図ります。SPF豚など本菌を保有しない豚を別農場に移動する際は、不活化ワクチンを接種します。 |
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