豚レンサ球菌症
概要
 本症は、レンサ球菌の感染による細菌病で、主に生後5週齢までの子豚に発生します。敗血症、髄膜炎、関節炎、心内膜炎などを起こし、さまざまな症状を示します。
主な原因
 豚に病原性を示すレンサ球菌は特定のもので、健康豚が喉にある扁桃に保菌していることがあり、保菌豚が感染源となって同居豚の間に感染が広がります。発症時期は病型により異なり、敗血症は4週齢以下、関節炎は2〜5週齢、髄膜炎は離乳前後の子豚に多発します。敗血症や髄膜炎の死亡率は比較的高く、気候の急激な変動など、飼養環境の急変が発症の引き金になることが知られています。
主な症状
 敗血症型は発熱、呼吸困難、皮膚が赤味を失い青黒くなるなどの症状を示し、髄膜炎型は発熱と神経症状が主で、遊泳運動や痙攣など特徴的な症状を呈し、急性経過で急死します。関節炎型は跛行、運動失調を起こし、経過の長いものでは関節部に膿瘍がみられ、多くの場合長期間にわたり発生が続きます。心内膜炎型は特別な症状はみられませんが、と畜検査で発見され廃棄処分となります。
主な予防法
 分娩舎・離乳豚舎のオールイン・オールアウトと消毒の徹底、飼育密度の適正化、十分な換気などの飼育管理の改善が大切です。