本症は、主に2〜5週齢の子豚に発生する細菌性皮膚炎で、脂性の滲出物が全身にこびりつくため皮膚が汚れ、あたかもスス(煤)を被ったようにみえることから、スス病とも呼ばれます。 |
ブドウ球菌の皮膚感染によって起こりますが、生体側の何らかの誘因が重なって発症すると考えられています。1腹単位での発生が多く、1〜6週齢の子豚に好発します。豚の疥癬や皮膚真菌症の二次感染症として発生することもあります。 |
最初は鼻や眼瞼周囲の表皮に脂性滲出物がこびりつくようになり、褐色から黒褐色のかさぶたがみられ、全身の被毛は汗に濡れたようになります。次いで皮膚のあかやほこりが混じてススを被ったように黒ずんで汚れ、元気消失、食欲不振、脱水症状などがみられます。死亡率は20%前後であり、耐過しても発育遅延を起こし、ひね豚となります。 |
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母豚には飼養環境を清潔に保ち、分娩舎への移動時には豚体の洗浄・消毒を励行します。新生豚には初乳を十分に与え、温度管理や切歯、断尾などの処置は好適時に実施します。発症豚の早期発見・隔離を実施し、早期に治療を開始することが大切です。 |
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