本病は、豚パルボウイルスの感染によって雌豚に不妊や異常産を起こすウイルス病で、年間を通して発生します。特に、初産の母豚に好発します。 |
原因ウイルスは感染豚の鼻汁、唾液、糞便および精液中に排出され、感染豚との接触、交配、汚染精液による人工授精などを介して感染します。11ヵ月齢以上の繁殖豚は自然感染により免疫を獲得しているので、経産豚が異常産を起こすことはほとんどありません。しかし、繁殖候補豚の中には、長期間続く移行抗体のため初回種付けまでに免疫を獲得していないものもおり、このような初産豚が妊娠中に感染すると、異常産が起こります。 |
免疫のない妊娠豚が感染しても無症状で経過するので、分娩時の異常産で気付くことがほとんどです。妊娠中に感染して死亡した胎子は、子宮内に残存してほぼ分娩予定日に娩出され、早産することはまれです。異常胎子にはミイラ化胎子・黒子・白子などが含まれ、生存産子は起立不能、虚弱などを呈して娩出後まもなく死亡しますが、神経症状は示しません。胎齢約30日未満で死亡した胎子は母体に吸収されてしまうので、発情回帰、無発情、不妊あるいは産子数の減少などとして認められるにすぎません。 |
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ワクチン接種が有効です。発生は日本脳炎による異常産の多発時期に一致する傾向があるので、日本脳炎との混合ワクチンを接種すると経済的です。 |
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