本症は、スピロヘータの一種である豚赤痢菌が感染して出血性大腸炎を起こし、血液や粘液を混じた下痢便を排泄する急性または慢性の細菌病です。届出伝染病に指定されています。 |
発生は保菌豚の導入によることが多く、一度発生すると常在化し、繰り返し発生するようになります。特に集団飼育の肥育豚がかかりやすく、哺乳豚や繁殖豚が発症することはほとんどありません。発生豚群ではひね豚が多くなり、飼料効率の低下がみられ、経済的被害の大きい疾病です。 |
肥育豚群に集団発生しても感染の広がりは緩やかで、長期間にわたり発生が続きます。最初は灰黄色軟便の排泄に始まり、やがて血液、粘膜、粘膜片などを混じた泥状便へ移行しますが、下痢便中に血液や粘液の混入がほとんど確認できない症例もあります。下痢は通常1〜2週間以上続き、慢性化することも少なくありません。被毛は汚れ光沢がなくなり、発育はほとんど停止します。 |
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素豚は豚赤痢フリーの農場から導入することが必要です。清浄化には発生豚群をオールアウトし、健康豚群と変換する方式が最も効果的です。 |
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