本症は、細菌感染によって鼻甲介が萎縮・変形し、鼻が曲がり顔面が歪む慢性呼吸器病です。多くの農場で常在化しており、発育遅延や飼料効率の低下などにより大きな経済的損失をもたらし、届出伝染病に指定されています。 |
ボルデテラ菌またはパスツレラ菌が単独あるいは同時に鼻粘膜に感染して増殖し、これらの細菌が作った毒素の影響で病変が徐々に現れてきます。哺乳豚が感染すると、発病率が高く症状も重いのですが、離乳以降の子豚では、感染しても発病することはほとんどありません。本症は病豚や保菌豚との接触あるいはくしゃみや発咳時の飛沫を介して伝播します。 |
発病初期には、鼻汁漏出、鼻づまり、くしゃみなどのほか、泥やごみが涙で体毛に付着してアイパッチと呼ばれる黒い斑点が眼の下のくぼみにできます。さらに進行すると、上顎の発達が遅れ、前歯の不整咬合や狆面、鼻の萎縮、鼻曲がりなどの症状がみられます。発症しても食欲は低下しませんが、発育は遅れ気味となり、飼料効率は大幅に低下します。また、他の呼吸器病にもかかりやすくなります。 |
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ワクチン接種や投薬は予防効果が高いので、獣医師と相談して下さい。病勢は飼養環境にも影響されるので、飼養環境の改善が大切です。 |
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