豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)(届出)
概要
 本症は、妊娠豚では異常産などの繁殖障害、子豚では呼吸困難などの呼吸器障害を起こすウイルス病で、わが国では1990年代以降に発生するようになった新興感染症です。現在、全国的に発生がみられ、豚生産の重大な障害となっており、届出伝染病に指定されています。
主な原因
 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスの感染により起こり、感染豚との接触や飛沫によるほか、交配により急速に伝播します。一度発生すると常在化しやすく清浄化は非常に困難です。
主な症状

 初めて発生した農場では、異常産は爆発的に発生し、黒子・白子胎子などの死産がみられるほか、虚弱な生存子豚も混在し、ときに神経症状を示すものがみられます。常在化してくると、異常産は散発的な発生となり、離乳子豚の呼吸器障害が目立つようになります。感染子豚は発熱と重度の呼吸促迫または腹式呼吸などを示すほか、眼瞼浮腫、結膜炎、下痢、嘔吐などの症状もみられます。呼吸器障害は細菌やマイコプラズマとの二次感染や複合感染によりさらに悪化することが多く、発育は遅延してひね豚の発生が目立ち、死廃率も高くなります。



主な予防法
 換気、飼養密度の適正化などの飼育環境の改善やオールイン・オールアウトは、病性の軽減、二次感染や複合感染の発生防止などに有効です。ワクチン接種は、抗体検査により豚集団における免疫状態を把握した上で、適切かつ計画的に実施する必要があります。