本病は、猫由来のトキソプラズマ原虫のオーシストが感染することによって起こり、経過が速く死亡率が高い原虫病です。人獣共通感染症の一つで、届出伝染病に指定されています。 |
猫の糞便中に排出されるオーシストを豚が経口的に摂取して感染しますが、豚から豚への感染は起こりません。猫の糞便による豚舎・豚房の汚染のほか、飼料の汚染が発生原因となります。 |
2〜4カ月齢の子豚がかかりやすく、しばしば集団発生します。感染してから数日後に発熱がみられ、7〜10日間持続します。この間に下痢や発咳がみられ、呼吸困難、すなわち腹式呼吸が次第に明瞭となり、歩行の不安定、犬座姿勢などの症状がみられるようになります。やがて耳翼、鼻端、下肢、下腹部などに赤紫斑がみられ、ついには起立不能となって死亡します。 |
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ワクチンはありません。猫の豚舎・豚房への出入りの防止を図ることが最も有効な予防法です。オーシストには一般の消毒薬はほとんど無効ですので、豚舎は熱湯やスチームによる加熱消毒を行う必要があります。また汚染飼料は焼却します。 |
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