本症は豚といのししのみがかかり、経過が速く、死亡率がきわめて高い急性ウイルス病です。国際的に重要な疾病であり、わが国では清浄化が進められており、法定伝染病に指定されています。 |
豚コレラウイルスの感染によって起こり、発生要因として周辺での発生、発生地からの患畜の導入、人の出入り、処理不十分な汚染肉や厨芥などの給餌、汚染精子による人工授精などがあげられます。また、野生のいのししに豚コレラが蔓延していると、豚への感染源となります。 |
初期の症状は高熱と食欲減退で、次いで結膜・眼瞼の分泌物付着や便秘後の下痢、さらに後躯麻痺や四肢痙攣などの神経症状がみられるようになります。末期には下腹部、耳翼、頸部、四肢など体表に紫斑や赤紫色のうっ血および出血斑が認められ、数日以内に死亡します。病原性の弱いウイルスの感染では、経過は1〜数ヵ月に及び、ひね豚となります。 |
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清浄国ではワクチンを使用せず、摘発・淘汰を基本とした蔓延防止策措置がとられます。わが国でもワクチン接種によらない防疫対策が進められ、2000年10月からワクチン接種を原則的に禁止し、摘発・淘汰方式による防疫へ転換しました。 |
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